キズナがいた昨年に比べ、今年は混戦必至の日本ダービー。買い目はどこにあるのか。GI22勝の“ご意見番”アンカツこと安藤勝己氏が激推し馬を公開する!
今年のダービーは、皐月賞組と強い牝馬勢から挑戦してくるレッドリヴェールの戦いになるんじゃないかと、オレは見ているんよ。
その皐月賞組なら、成長力の点で一番に映るワンアンドオンリーがおもしろそうやね。現時点で勝ち切るならこの馬じゃないかと思う。皐月賞は、流れが向いてない中、外を回っていい脚(最速の上がり34秒3)で(クビ差)4着に来てるしな。4走前(東京スポーツ杯)で6着があるけど、ここ2戦でグーンとよくなって、動きが変わってきとるわ。ひょっとしたら、あんまり速い時計の馬場はよくねえかもという不安もあるけど、今の勢いなら本命っていうのもアリかなと思う。
今年の皐月賞は、大外18番枠のウインフルブルーム(8番人気)が逃げ粘り3着。1番人気のトゥザワールドが3番手追走から抜け出すところを、中団待機の2番人気のイスラボニータが坂上で差し切り優勝。フジキセキ産駒は16代目にして悲願の牡馬クラシック初制覇を遂げた。
正直、イスラボニータは皐月賞で評価をちょっと落としてた。フジキセキの仔はGIだともうひとつというところ。距離の2000メートルもギリギリやろうと思ってたし。でも、道中は折り合いもついたし、けっこういい脚を使って完勝だった。(距離が400メートル延びる)ダービーだからと、あまり評価を下げるわけにはいかねえな。ただ、勝ち切るかというと自信ないし、軸候補の1頭やろう。大崩れがないという点では、(皐月賞2着の)トゥザワールドがいちばん確実かな。どういう競馬でもできるし、(距離の)2400メートルも、そう長いとは思わんしな。
トゥザワールドの父はキングカメハメハ。04年5月、東京競馬場でNHKマイルCをレースレコードで制し、中2週で挑んだ日本ダービーをコースレコードで勝利。この「変則2冠」に導いたジョッキーが安藤勝己氏だ。
あの時は東京にかかわらず、距離が延びたほうがかえっていいと思ってたし、操縦のしやすい馬だったから自信を持って出たんだけどね。トゥザワールドにしても操作のしやすいタイプの馬に見える。だから、皐月賞は外の17番枠だったので、ある程度前に行くと思って見てた。あの馬はしまいにかけてもいい脚がある。自在タイプだけに、今年のダービーではいちばん確実かなと思ってる。
逆に、ウインフルブルームは、枠順に関係なく、(前に)行ったほうがいいと思うね。今度もまた行く馬がいねえから、そうなると3着ならありうるな。ただ、勝ち切るとなると、これだけの名前がそろってるし、苦しいんじゃないか。器用で、レースを自分で作ってうまいんだけど、自分のペースで行ってどこまで粘れるかというタイプの馬だと思う。ここ4走を見ても、ずっと勝てないでしょ。何かちょっと足らねえんだよな。
◆アサヒ芸能5/27発売(6/5号)より