AKB48握手会襲撃事件で真っ先に思い浮かんだのが、倉沢淳美だ。超人気番組だった「欽ちゃんのどこまでやるの!?」からスピンアウトした3人組ユニット・わらべの一員で、「めだかの兄弟」が大ヒット。その後、ソロ・デビューした1984年に、札幌で開いたサイン会で事件は起きた。終了後に会場玄関で、参加していた男に突然、刃物で切りつけられ、右手首を約6センチ切る大怪我を負ったのだ。犯人は26歳の会社員。警察の取り調べに「生意気だから切った」と、平然と不可解な供述をした。
当時、レーベルのスタッフとして警備を担当していた芸能関係者は言う。
「あの頃は握手会が今ほど多くなかったんですが、それでも100回以上は経験していました。正直、突然の凶行を防ぐのは難しい。あの事件以降は、現場もピリピリして、細心の注意を払うようになりましたね。特にファンの手元には神経質になりました」
警備にコストをかけられる大手事務所はともかく、資金も人員もなくギリギリの運営を余儀なくされているローカルアイドルも多い。
「今回の事件を受けて、次々とローカルアイドルも握手会などを中止する動きが出てきています。このままだと握手会というプロモーション自体がなかなか成立しなくなりそう。ファンサービスとしては、なかなか握手会に代わるモノがないだけに、アイドル業界が一気に冬の時代に突入するかもしれない」(業界関係者)
第2、第3の模倣犯が出現しないことを祈るばかりだが‥‥。