岸田文雄総理が最も恐れる「辞任ドミノ」が現実のものとなりつつある。
旧統一教会(世界平和統一家庭連合)とズブズブの関係にあった山際大志郎氏が経済再生担当大臣の辞任に追い込まれたのが10月24日。その後、11月11日には葉梨康弘法務大臣も辞任を余儀なくされた。なにしろその2日前の夜に開かれた自民党同僚議員のパーティーでの挨拶でのたまったのが、
「法務大臣というのは朝、死刑のハンコを押しまして、昼のニュースのトップになるのはそういう時だけ、という地味な役職なんですが、今回は旧統一教会の問題に抱きつかれてしまいまして、私の顔もいくらかテレビに出るようになりました。(中略)外務省と法務省は票とお金に縁がない。法務大臣になっても、お金は集まらないし、票も入らない」
葉梨氏はこれ以前にも、同じ内容のことをしゃべっていたことがあり、話のツカミとして使っていたようだが、あまりにレベルが低かった。
いずれも「辞任」の名を借りた「事実上の更迭」だったが、同様の辞任ドミノはさらに続くとみられているのだ。
岸田総理に近い岸田派の有力幹部が、次のように明かす。
「来週からまた衆参の予算委員会が始まるが、野党はまず寺田(稔)総務大臣のクビを取りにくるだろう。寺田大臣には政治資金を巡る脱税や領収書偽造、さらには公職選挙法違反(虚偽記載)の疑惑などが次々と噴出しており、政治資金規正法を所管する大臣として、辞任は時間の問題と言われている。場合によっては、岸田総理が東南アジア歴訪から帰国した直後の週明けにも、総理は予算委の開催を待たずに、事実上の更迭に踏み切るかもしれない」
予算委で野党の追及を受けている最中の辞任に比べれば、ダメージはいくらかマシだからだ。だがそれでも、辞任ドミノの火種は燻り続けるという。岸田派の有力幹部が続ける。
「さらに、自身の政治団体が親族に支払っていた地元事務所の賃料を確定申告していなかった事実が明るみに出た秋葉(賢也)復興担当大臣にも、野党は辞任要求を突き付けてくるだろう。加えて、自民党のコロナ対策本部長に返り咲いた山際氏を巡っても、野党が自民党総裁としての岸田総理の責任を追及してくることは、目に見えている。野党に第2次補正予算案や旧統一教会関連法案などを人質に取られれば、岸田総理としても。辞任ドミノ地獄をあえて受け入れざるを得なくなる。まさに断末魔だ…」
発足以来、最低の支持率を更新し続けている岸田政権は、崖っぷちから転落する寸前にある。