昨年、統一教会問題が一挙に噴出。自民党に大きなダメージを与えた。今年はその余波もあり、「政局」が揺れ動く可能性が高いという。それはズバリ、岸田文雄総理(65)の退陣である。政治評論家・有馬晴海氏によれば、
「実際に自民党の一部では『岸田なんてもたないよ』と言っている人もいる。ただし、じゃあどうやって退陣を迫るかというと話は別になってくる。参議院選挙は約2年半後、4月に統一地方選はあるけれど、自民党が大敗するような状況は考えづらい。要するに岸田降ろしをする材料がない」
となると、ズルズルと今年も岸田政権が続くのか? いや、そう簡単な話ではない。有馬氏が続ける。
「岸田さんが退陣する要因として、防衛費増加の影響が考えられます。この防衛費増では、岸田さんが自分の従来の主義主張をかなぐり捨ててまで勝負を賭けた。この大勝負は国民の防衛意識の高まりもあって、ある程度の理解は得られている。が、実際に誰がどのように負担するかということが大切。もし、国民だけに過度に負担がかかるようなことになれば、強い反発を受ける。国会で野党もそこを追及するでしょう。そうなると、かつての森(喜朗)元総理のように、支持率の低下⇒総辞職という可能性が考えられます」
確かに、景気が一向に上向かない中、国民の増税のみというのでは反発必至だろう。また、防衛費問題以外でも岸田総理の不安定要素はあるという。
「総理肝いりの5月のサミットが、広島で開かれないという話があるのです。理由は警備上難しいと。なぜなら、世界の首脳が少なくとも7人。G7以外の首脳・要人を入れれば20人近くのVIPが集まるワケです。しかし、広島にはそれを受け入れられるホテルがない。岸田さんの心のうちには、地元開催サミットのホスト役として盛り上げ、その勢いで7月解散総選挙に打って出るというプランがある。それが、広島でのサミット開催が無理ということになれば『大見得切ったのになんだ』という批判の声が大きくなるでしょう」(政治部デスク)
では、これらの不安定要素が炸裂した場合、ポスト岸田は誰になるのか。
「現状では河野太郎デジタル相(60)が一番近い。前回の総裁選に出たメンツを見てみると、高市(早苗)さんは、安倍さん亡きあとでは20人の推薦人を集めるのも大変。野田聖子さんはご存じのように、プライベートでごたごた。茂木幹事長は総理辞任となれば一蓮托生。そうなると、自民党内でも、変人ではあるけど(笑)、統一教会問題でダメージを負わず、それなりに実績を上げた河野大臣でもいいか、と消去法的に押し上げられる可能性があります」(有馬氏)
もっとも、安倍派が後継者問題でもめているとはいえ、少数派閥中心の「河野内閣」は脆弱で、本格政権には程遠いようだ。つまり、河野総理誕生となっても短命に終わりそうだ。
結果、ポスト岸田の“大穴”の名前が挙がった。
「正直、かつてほどの神通力はないですが、小池百合子都知事(70)にはまだ野望が残っているかもしれません。というのは昨年、国民民主党の玉木代表と頻繁に会っていましたが、これは彼女の中に同党と合流し、さらに自民党に合流させて、自らがキャスティングボートを握ろうという気持ちがあるからです。ただ、頼みの二階さんの影響力が衰えたことが痛い。でも、自民党というのは権力の座を維持するためならなんでもありの党。苦境に陥れば、“初の女性総理大臣”をウリに小池さんに乗る可能性もありうるでしょう」(有馬氏)
小池都知事、乾坤一擲の「トロイの木馬」作戦が功を奏し、初の女性総理誕生! となるか‥‥。