10月1日に他界した元プロレスラーのアントニオ猪木といえば、イベントなどでの「闘魂注入ビンタ」が思い出されるが、その先駆けとなる「スネ蹴り」があった──。そんなエピソードを明かしたのは、くりぃむしちゅーの上田晋也だ。
爆笑問題の太田光とMCを務めるYouTubeチャンネル〈太田上田【公式】〉の11月16日更新回で語ったところによると、それは上田が中学1年生の時のこと。地元の熊本市体育館で、プロレス興行が行われた。憧れの猪木を上田少年が放心状態で眺めていると、その前を通り過ぎた猪木が上田のスネを蹴った。
何事が起きたのかとア然としていると、数メートル先の猪木が振り返り、満面のスマイルを見せたのだそうだ。上田が回想する。
「人生で初めてだね、何の言葉も出てこないわけよ。『ありがとうございます』なのか、でも、ありがたいのかもわからない。ありがたいのかな…。ポーンと軽く蹴って、コミュニケーション取ってくれたんだと思うけど」
「闘魂注入ビンタ」のもとは90年5月、早稲田予備校の講演会で生まれた。生徒から「腹を殴らせてください」と請われ、猪木はサービス精神から快諾。予想外の強烈な一撃に、猪木はとっさに右手の張りを返した──。
これが「闘魂注入ビンタ」の始まりであり、その生徒は「ありがとうございました」と一礼。受験にも合格したことから、縁起モノと知れ渡ることとなった。
のちの上田の活躍を思えば、中学時代に注入された「スネ蹴り」にもご利益があったのかもしれない。
(所ひで/ユーチューブライター)