劇団ひとりの監督デビュー作「青天の霹靂」が意外なヒットを続けている。5月24日に公開され、24、25日の2日間で、動員13万898人、興収1億7985万3900円をあげた。これは公開11週目となるヒット映画「アナと雪の女王」に次ぐ成績で、初登場2位に躍り出た。映画ライターが言う。
「2位といっても、かなりの開きがあるが、この映画、本当に評判がいいんです。『ぴあ映画初日満足度』が82点で1位、観客動員ランキングが2位、配給元の東宝が行った観客アンケートで、お勧め度9割、感涙度9割という高い評価だったんです。上映時間1時間半とコンパクトにまとまっていて非常に観やすいです。基本、コメディーで笑わせ、時にほろっと泣かせる芝居がてんこ盛りになっており、徐々に感動が盛り上がっていき、クライマックスで号泣させられる仕掛けです。日本の観客、特に若い人は泣ける映画が大好き。口コミ客で興収も伸びていっています」
ヒットの原動力になったのは、プロも裸足で逃げ出す大泉の本気マジックの腕もさることながら、ヒロインの柴咲コウ(32)の抑えた演技にあるともっぱらだ。
天涯孤独で売れないマジシャン、晴夫(大泉洋)が、40年前の浅草にタイムスリップ、若き日の両親(劇団ひとり、柴咲)に出会い、自分の出生の秘密を知らされる。クライマックスシーンは、晴夫が出産前日に母の病室を訪れた時の2人芝居。生まれてくる我が子への思いを語る柴咲の神々しいまでの美しさ。未婚で出産経験もなく、実母が小さい頃に離婚しているという家庭環境に育ちながら、ここまで母親の心情を表現できるものかと驚かされる。映画館では男性客が母への秘めた愛を刺激され、知らず知らずのうちに泣かされてしまい、自分でも驚く姿が見かけられる。
「DA・PUMPのISSAから始まって妻夫木聡、嵐の松本潤と10人近いアイドル、俳優、ミュージシャンらと浮名を流してきたが、最近はすっかり恋の噂が聞こえてこない。一見、気の強いS女に見えるが、実は人見知りのM女で、男の言いなりになってしまう癖がある。このまま虫のつかない状態を続けられれば、間違いなく女優として大成できるでしょう」(芸能レポーター)
女優として評価をあげたところで、妖艶な役にも挑戦してほしいものだ。