プロ野球界で初めての「現役ドラフト」が12月9日午後に行われるが、早くも「候補者特定」部隊が走り回っている。
これは出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させるための施策。各球団がオンライン参加し、全選手の指名が終わり次第、発表される。所要時間がどれくらいなのかなどは、主催の日本野球機構(NPB)側も「やってみないと分からない」と手探り状態だ。
プロ野球ファンが書き込むネット上の掲示板などには既に、具体的な選手の名前が登場している。ドラフト前から秩序が崩壊している状況に、球界関係者も苦笑いするしかない。
「球団は最低2人ずつを現役ドラフト選手として供出しなければなりませんが、最も危険なのは、リストが外部に漏れることです。ドラフト過程を非公表にするため、外部に出てしまえばどうしようもない。誰が漏らしたのか犯人捜しが始まり、ドラフトどころではなくなる。仮に指名されなかった場合は名前すら公表されないため、本人もドラフトにかかっていたかどうかが分からないまま終わることもあります。これでは公平、公正さは全く保てない」
欠陥だらけの現役ドラフトでプロ野球人生を左右される選手が、一番の被害者ではないだろうか。