12月4日、23年世界選手権(ドーハ)代表選考会を兼ねて行われた柔道「グランドスラム東京大会」で、男子100キロ級東京五輪金メダリストのウルフ・アロンが、初戦となる2回戦でイタリアの選手に反則負けを喫した。
ウルフは昨年夏の東京五輪後、今年4月に右足を負傷。さらに大会の延期や自身のコロナ感染などで復帰が10月の講道館杯となったが、そこでも3位と振るわず、今回はまさかの初戦敗退となった。
世界選手権代表争いでウルフの100キロ級は、混戦を極めている。約2週間後にエルサレムで開催されるワールドマスターズ大会、そして1月の代表決定戦と過密スケジュールの中、窮地に立たされた格好だ。
そんなウルフについて「これではテレビに出すぎだと言われても仕方がない」と評するのは、スポーツ紙デスクだ。続けてもらおう。
「五輪後からテレビをはじめメディアに出まくり、特に昨年10月の改編期の特番を含めたバラエティー番組に、ほぼ毎日のように登場していました。頭の回転が速く、料理やアメコミネタなど『引き出し』も多いことから、以後もクイズ番組やトーク番組に出ずっぱり状態でしたね。これに視聴者からは『引退したのか』『いくらなんでも出すぎだろ』との指摘が出ていた。本人はテレビ出演の理由を柔道普及のためと語っており、うなずけるところはありますが、結果的に調整不足でファンの期待を裏切るようなことがあれば、本末転倒です」
今大会での敗戦後、「パリ五輪だと言っている場合じゃない。柔道に対してもう少しひたむきに取り組む必要がある」と猛省していたウルフ。10月には「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)で引退後について聞かれると「プロレスっすね」と新日やWWEなど具体的な団体名を出すリップサービスもあった。ヘタをすると、早々にその時期がやってくるかも…。