いよいよ佳境に入ったサッカーW杯。テレビ中継は軒並み高視聴率を記録するが、インターネットテレビABEMAでW杯のGM(ゼネラルマネージャー)を務める、本田圭佑(36)の解説が注目を集めている。ただし、彼には別の“本業”があるというのだ。
本田の日本戦の解説は毎試合話題となり、〈本田の解説〉がツイッターでトレンド入りするほどの反響を呼んでいる。
「にわかファンにもわかりやすい解説で、時折、熱のこもったテンションで語るのも好評です。特に注目を集めたのが、親交のあまりない選手に対する『さん付け』。SNSでは〈本田さんの“さん付け”ジワる〉などの反応が上がっています」(スポーツ紙記者)
本田は現在、シンガポールに活動の拠点を置き、カンボジア代表のGMとして実質的な監督を務めている。一方で、いまだ引退表明はしておらず、今回の解説でも“選手としての目線”に力点を置いているのだ。
昨年12月までリトアニア1部リーグのスドゥバに所属していた本田だが、契約満了で退団後は現在まで無所属となっている。
「今年10月、自身のインスタグラムとツイッターに〈ヒザの手術をしましたが、すぐに戻ってきます できるだけ長くプレーしたい〉とのメッセージを記しました。ただ、客寄せならともかく、戦力として獲得に名乗りを挙げるチームがあるとは考えにくい。もっとも“副業”で多忙の本田にとっては、そのほうがいいかもしれませんね」(前出・スポーツ紙記者)
熱心なサッカーファン以外にはあまり知られていないが、実はサッカー選手と同時に実業家の顔も持っている。特に投資家としてのキャリアは、副業の域を超えていると言っていい。
経済誌記者が話す。
「本田選手の投資は主に『エンジェル投資』と言われるもので、創業まもない企業に個人で資産を提供するものです。これまで投資した企業のうち、9社が時価総額10億ドルを超えるユニコーン企業に、2社が100億ドル超のデカコーン企業に成長している。今や国内では代表的なエンジェル投資家の1人です」
19年12月には、2000万円超を投じたクラウドファンディング大手「マクアケ」が東証マザーズに上場。その際に本田は、一部の株式を売却して約4億円を手に入れたほか、残りの保有株の時価総額が一時約40億円にまで膨らんだと言われる。
本田が投資家としてのキャリアを歩み始めたのは、イタリアのACミランに在籍していた16年。兄を通じて知り合った中西武士氏をパートナーに、個人の資産を投じて「KSK AngelFund」を立ち上げた。ちなみに中西氏は、米国の銀行や証券会社での投資運用実績を持つ人物で、菅義偉内閣で財務副大臣を務めた中西健治衆院議員の実弟でもある。
「投資先の起業家らとの交流のために企画したイベントに、メルカリの小泉文明会長、ディー・エヌ・エーの南場智子会長、実業家の堀江貴文氏らを招くなど、人脈もなかなか華やかです。一方で“セレブ投資家”ならではの脇の甘さも見受けられます。20年に他の経営者や投資家と共にファンドを立ち上げたのですが、代表者である溝口勇児氏のガバナンスに問題があるとして、溝口氏と本田ら他の経営陣が対立。わずか9カ月で解散となりました。さらには今年6月、金融庁の認可を得ていない暗号資産取引所の広告塔になっていることが報じられました」(前出・経済誌記者)
フィールド復帰を目指すなら、ビジネスでのイエローカードの累積は避けたいところだ。