「今でこそ裏話になるんですが、ドラフトの時にね、我々は早めに浅野君をいきますと。9球団が言って、3球団だけ伏せてたわけですよね。どうも新聞で見ると、阪神がもしかしたら浅野君に来る気配があるという情報が入って、岡田さんにドラフト当日の朝にメールを送ったんですよ」
巨人・大久保博元打撃チーフコーチのYouTubeチャンネル〈デーブ大久保チャンネル〉でこう振り返ったのは、1位指名した浅野翔吾を抽選で引き当てた巨人の原辰徳監督である。
10月20日のドラフト会議の朝、原監督が阪神・岡田彰布監督にあてたメールの文面は、以下のようなものだった。
〈岡田監督(就任)おめでとうございます。全力をお互い出し合いながら、ペナントレースでは死を決しましょう。しかし、ドラフトでは戦いたくありませんね〉
その後、どうなったのか。原監督いわく、
「返信が来るかなと思ったら、返信がないんですよ」
そのままドラフトを迎えると、浅野の競合により抽選会場で初めて顔を合わせた2人は、短い会話を交わす。
「タツ、もう決まってたんや。なんて返信していいか分らんかった」
「そうですか。僕は電話番号が変わったのかなと思いました」
ネットウォッチャーが言う。
「岡田監督を牽制してまで浅野を獲得したことは、よほど嬉しかったんでしょう。原監督は絶口調でした。同席した江本孟紀氏も大笑いで…」
来季のペナントレースでは、互いのベンチでどんな駆け引きが繰り広げられるのか。
(所ひで/ユーチューブライター)