テリー そして第3戦のコロンビア戦ですが、FIFAランキング8位(6月時点)の国ですよね。むちゃくちゃ強いじゃないですか。そこまでにある程度勝ち点を取っていないと、非常に厳しいということですね。
北澤 そうですね。日本とコロンビアは、どちらかが1位で、どちらかが2位、という形でグループリーグ突破ができれば理想です。
テリー 逆にコロンビア戦で勝ち点を決めないといけないという状況になると、厳しいですね。
北澤 そうですね。グループリーグを1位で出てくるような国を相手にするのは大変なので、1位で出ていって、別のグループの2位と対戦するほうがいいと思うんですよ。
テリー コロンビアには、どういう戦い方をすればいいですか。
北澤 みんな強い強いって言いますけど、僕はいくつかの試合を見て、確かに前のほうにうまい選手はいるんですが、日本にとって戦いやすい守備をしてくる国なので、意外と勝てない相手じゃないと思います。ただ、この予測を誰も信用してくれないんですが(笑)。
テリー 「日本が戦いやすい守備」とは、どういうことですか。
北澤 バチバチっと、攻めてくるような守り方をとるチームは、日本はやりづらいんです。だけどコロンビアの守り方は、スーッと人が引くようにして守る。あまり激しさがないので、うまくいけば勝てるんじゃないかなという気はしていますね。
テリー 日本のサッカーは世界からどういうふうに思われているんでしょう。
北澤 頭脳やテクニックはすばらしいものがあるけど、どうしても「お前、練習の時はすごいんだけど、本番はヘタだよな」っていうところがある。海外の選手を見ていると、練習はそんなうまくないんだけど、試合になるとすごい力を発揮する人が多いんですよ。それはやっぱり前向きな攻めの姿勢だったり、ポジティブな考え方という点で海外の選手は強いですよね。
テリー 日本人はストライカーが少ないって言われるのも、そういうことが関係しているんですか。
北澤 どうでしょうね。教育制度から変えていかないと、難しい問題かもしれないですね。「右向け右」で黙って右を向くだけじゃなくて「なぜ右を向かなきゃいけないのか」とか、意見を言えるようにしないと。
テリー 北澤さん自身、少年サッカーで教えていらっしゃいますよね。今の子供たちはどうなんですか。
北澤 顔がのっぺりした子が多い印象です。眉間にシワを寄せて「クソーッ」みたいに、ガムシャラな子が少ないですね。
テリー 北澤さんが現役の時は、ピリピリしていましたもんね。
北澤 僕らの時は、眉間にシワ寄せてるようなやつばっかりでしたよ(笑)。
テリー そうだよね。今の子はそういうのを出すとカッコ悪いという意識もあるのかな。
北澤 まあ、今の日本代表の中にはけっこういると思いますよ。
テリー 今後の予想としてはどうですか。当然決勝トーナメントに行きますよね。
北澤 もちろん願いとしてはベスト8であり、ベスト4です。同時に「優勝」にもつながる道のりが少しずつでき始めていると思うんです。だから勝ったと言っても、守ってカウンター狙いでベスト8というんじゃなくて、自分たちで主導権を握って、へこたれないで戦うっていう姿勢を発信してほしいですね。