谷原章介が12月15日、メインキャスターを務める情報番組「めざまし8」(フジテレビ系)に出演し、所得と能力を結びつける発言で大ヒンシュクを買った。
この日の放送では、富裕層の増税問題を取り上げた。政府は年間所得が1億円を超えると所得税の負担率が下がる、いわゆる「1億円の壁」の是正に踏み切る方針を固めている。自民党税制調査会の宮沢洋一会長は10月13日、「年収平均30億円くらいの方について、少し負担を増やさせていただく」と表明。年間所得が30億円を超える超富裕層は、全国に200~300人いるという。
番組では街の人の声も取材。「お金のある人に課税してほしい。じゃないと格差がさらに広がりそう」という賛成意見もあれば、富裕層からは「自分で仕事を生み出し、稼いだお金。稼いだ分だけちゃんと残るような税制にしてほしい」といった反対の声も聞かれた。
立場によって意見は分かれるところだが、谷原は「高所得を得ている人は、能力が高い方が多いと思う」と私見を述べて「そういう方が(海外に)脱出することにもなりかねない」と指摘した。
高所得で能力の高い人はいるが、低所得でも能力が低いわけではない。谷原の発言に対し「私は無能なので低所得です」「所得が少ない人への偏見」「高所得でも親の不動産を売買して一時的に大金を手にした人もいるし、一概に能力と結びつけることはできない」などと、視聴者からは怒りと落胆の声が上がったのである。テレビ関係者が言う。
「谷原は、朝のワイドショーのほとんどの視聴者が庶民であることを理解していません。日本の給与水準は30年以上にわたって横ばい状態。能力があっても、サラリーマンでは所得の大幅増は難しくなっています。それを把握していれば、低所得層の怒りを買う発言は出てこないはずなのですが…。例えば8月3日の放送では、最低賃金がアップしても物価高に追いつかないとして『車も安い軽自動車を買わざるをえなくなってきた』などと発言した。金がなくて軽自動車に乗っているわけではなく、しかも今の軽自動車には高額なものもあります。軽自動車ユーザーが激怒したのは、言うまでもありません」
能力が高い谷原には、たっぷりと税金を払ってもらいたい。
(石田英明)