今年10月にスタートした「カズレーザーと学ぶ。」(日本テレビ系)は、「超ハードコア教養バラエティー」という副題が表すように、学び系の番組だ。
当初、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)の類似番組かと思っていたが、あちらはゲストのエピソードトークがメインで、それに対して専門家たちが、自分の得意分野の情報を挟んでいくというスタイル。MCの明石家さんまが、せっかくの専門家の話を遮ってしまうこともあり、バラエティー色も強めとなっている。
それに比べてこちらはといえば、ゲストを「聴講生」と呼び、あくまで専門家の話を聞くことがメイン。豊富な知識を持つカズレーザーが要所要所で含蓄あるコメントをしたり、難解な専門家の話をかみ砕いて説明してくれるので、わかりやすくタメになる番組だ。
12月13日放送回のテーマは「マインドコントロール」だった。昨今、改めて問題となっている「カルト宗教」をはじめ、「人はなぜ心を支配されてしまうのか」という疑問に対して学ぶものだ。
そこで「聴講生」のひとりである滝沢カレンが「マインドコントロールは占いとは違うんですか」と質問。一見、滝沢らしい的外れな質問にも聞こえるが、専門家は「占い師が支配者になることは十分ありえますし、実際に起きています」と回答。会社の運営の重大な選択までも占い師が決定したり、その結果がどちらに転んでも、支配(マインドコントロール)の道具に使える、と説明した。
確かに過去にも有名人が占い師に食い物にされて、多額のお金を貢いでしまったなんて話もあったし、情報番組の最後に当たり前のように占いコーナーがあったり、視聴者にとって占いは「カルト宗教」以上に身近なもので、滝沢の質問はなかなか鋭いといえる。
このやりとりを聞いていたカズレーザーは「じゃあもう各局、占い番組はやめるべきですね。よくないですね、あれは」。出演者たちも笑っていたが、確かにその通りだと思う。
献金問題や二世信者問題などで、例の宗教が集中砲火を浴びる中、紀藤正樹弁護士が「ほんとにあった怖い話 夏の特別編2022」(フジテレビ系)について「霊感商法に利用されるだけ」とツイッターで糾弾していたが、それこそ占い番組の方がよっぽどタチが悪い。
現在も「突然ですが占ってもいいですか?」(フジテレビ系)や、「占いリアリティーショー どこまで言っていいですか?」(テレビ東京系)、「占いなんて信じない」(テレビ東京系)などの占い番組が放送されている。適当に娯楽として楽しめる人ならいいが、中には本当に信じてのめり込んでしまう人もいるわけで、そういう人の心の隙間に潜り込む道具として利用されかねないのだから。
その昔、上岡龍太郎がオカルトや占いを忌み嫌い、番組内で占い師の顔にマジックでペケを書いたことがある。動揺する占い師に向かって「占えるなら、こうなることもわかっていただろ!」と一喝したのを思い出した。
カズレーザーには、あえて占い番組に出演して占い師を論破してもらいたいものだ。
(堀江南)