イケメンで女性人気が高かったプロ野球選手のEに口説かれた、女子アナB。ほどとなくして男女の関係になり、交際は始まったが、周囲から聞こえてくる魑魅魍魎は、聞くに堪えなかった。Bが語る。
「今日は○○の元カノと寝ているとか、この前の関東遠征ではグラドルの○○を持ち帰っていた、とか。とにかくあちらこちらにオンナがいることが分かったんです。正気かよと思ったけど、ここで引き下がったら女が廃れる。Eに言われるがままに動きましたね。ある時は自主トレ会場に極秘で行って、終わったらそのまま車で合流。1泊の温泉旅行に出かけて、5回戦までしてしまいました」
独身の男女ゆえ、問題はなかった。けれどもEの食い散らかしぶりに、周囲は黙っていない。Bが続ける。
「私も会社員ですから、守らなければならないと思ってくれたのでしょうね。先輩たちがEに『真剣交際してるのか』と追及を始めた。ところがEは、知らぬ存ぜぬの繰り返し。最後に分かったのは、本命ではなく、私は遊び相手1号だったこと。本命と仲が悪くなると私を抱いていたことが判明して、アキレました。ついには本命の女性からも連絡があり『Eを適当にいなして下さい』と。『そんなことできるか!』と道端で叫んでしまいました」
Bが連絡を絶ってからしばらく後、Eは8年来の交際を続けた中学の同級生との結婚を発表。Bも負けじと、数年後に幼なじみと結婚した。子供も授かり、現在も仕事に励む。
「お互い若かったから。これでよかったんだ、と思っています」。
Bは今も、自分にそう言い聞かせている。(おわり)