漫才日本一を決める「M-1グランプリ2022」は、2年ぶりに決勝進出を果たした毒舌系漫才のウエストランド(河本太、井口浩之)が頂点に立ち、賞金1000万円を獲得した。彼らの優勝には大会史上初の快挙があったと、お笑い関係者が言う。
「ファーストステージで最もやりたくない順番とされているのが、トップバッター。しかし、歴代優勝コンビに、トップバッターが1組存在します。01年開催の第1回大会で優勝した中川家(中川剛、中川礼二)です。しかし、ラストからの優勝は、ウエストランドが初でした」
01年に第1回が開催された「M-1」。ファーストステージでのネタ順は事前に抽選で決められるが、17年の第13回大会から、司会者やゲストが生放送中に1本ずつクジを引くスタイル(笑神籤)に変更となっている。
「17年まではラストを敗者復活コンビが務めていた。敗者復活戦から優勝を果たしたのは、07年のサンドウィッチマン、15年のトレンディエンジェルです。しかし、敗者復活からの勢いに押されてのネタ披露は公平さを欠くとして笑神籤が採用された経緯がありますから、真のラストからの優勝コンビと呼べるのは、ウエストランドだけです」(前出・お笑い関係者)
ウエストランドは、2年前の20年大会も10組中10番目のラストでネタを披露し、結果は8位。そういえば、かつてYouTubeチャンネル〈太田上田【公式】〉に出演した際には、事務所の先輩である爆笑問題の太田光から「最後(のネタ順)はイヤだと思ってたわけ?」と問われて「そうですね」。すると太田が「そこがダメなんだよ、お前ら!」と説教が飛び出したのだった。
今年の優勝は、この教訓が生かされたゆえ…かもしれない。
(所ひで/ユーチューブライター)