今年の漫才日本一決定戦「M-1グランプリ2022」はウエストランドが優勝を果たしたが、後味を悪くさせているのが、敗退した芸人に対する誹謗中傷だ。
視聴者から心ないメッセージが届くと明かしたのが、敗者復活戦から決勝大会に進出したものの、ファーストラウンドで敗退したオズワルドの伊藤俊介である。
大会2日後の12月20日、自身のツイッターを更新した伊藤は、労いのDMを寄せたファンに対して感謝の思いを綴ったが、送られてくるのは好意的なメッセージだけではないという。伊藤の告白は、次のようなものだ。
「そして常人なら墓に飛び込みたくなるような誹謗中傷を送ってくださる方々。どんな文言でも謹んでお受け致しますが、可能ならまずはお疲れ様でしたから入るのはどうでしょう?ごめんね無理言っちゃって」
いったい誰が伊藤に「墓に飛び込みたくなるような誹謗中傷」を送っているのか。お笑い関係者が語る。
「オズワルドに辛辣なコメントを寄せている多くが、敗者復活戦で彼らに敗れたコンビのファンと思しき人たちです。視聴者投票だったため、敗退コンビのファンにとっては『会場のウケ』ではなく『知名度の高さ』でオズワルドに決勝進出をかすめ取られたのではないか、という悔しさが拭えないんです。実際にオズワルドへの誹謗中傷と取れる言葉を、私もいくつも目にしました」
そんな状況下で称賛に値するのが、伊藤の実妹で女優、伊藤沙莉の言葉だった。
兄のツイートへのリプライとして、M-1についての思いを綴ったのだが、
「彼女は全ての関係者を労ったツイートの中で、敗者復活戦で2位に終わった『令和ロマン』の名前をあえて最後に挙げ『即座に拍手をした令和ロマンさんもかっこよかったことだけでも言いたい』と称えました。今回の誹謗中傷騒動の核心を捉えた、素晴らしい気遣いです」(前出・お笑い関係者)
妹のツイートが、せめてもの救いだった。
(山倉卓)