6月27日に行われた漫才日本一決定戦「M-1グランプリ2023」(1回戦=8月1日~10月4日、決勝大会=12月予定)の開催記者会見で「ルール改訂」が発表され、お笑いファンの間で物議を醸している。
新たに改訂されたルールは「シード権」「1回戦ネタ時間」「特別賞の追加」の3つで、問題となっているのは「特別賞の追加」。
特別賞ではナイスアマチュア賞、ベストアマチュア賞に加え、キッズ漫才師、地方漫才師などを表彰する賞を新設するとしているのだが、地方を区別することに異論が噴出しているのだ。
会見に出席したオズワルドの伊藤俊介などは笑いながら、
「地方漫才師に対する侮辱だから。お前らはストレートで来ないだろって…。ぬまんづ(静岡県沼津市住みます芸人)が本気で狙ったらどうするんですか」
と指摘していたが、ネット上でも「地方漫才師が東京や大阪では戦えないとでも言いたいのか」「大阪も地方じゃんw」などとブーイングが飛び交っている。お笑いライターが語る。
「そもそも、どの地域を『地方』として線引きするのかも疑問。より多くの人にお笑いを楽しんでもらうためにルールをブラッシュアップするのはいいのですが、『漫才の本場は大阪』と決めつけられた印象を受けたお笑いファンも少なくなかったのでは」
先頃、漫才協会の会長に就任した「ナイツ」の塙宣之は、2020年に上梓した書籍「言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」の中で、M-1の異質な特徴を指摘している。近年は極端な「関西有利」は見られなくなってきたが、地方漫才師専用の賞を創設するあたり、まだまだ大阪漫才が本場という意識が強いのかもしれない。
(ケン高田)