ウエストランドの優勝で幕を閉じた「M-1グランプリ」の余韻冷めやらぬ12月22日、フジテレビが新たなお笑い賞レースの立ち上げを発表した。
そのタイトルは「THE SECOND~漫才トーナメント~」(仮)。出場条件が「エントリー時点で結成16年以上」という「ベテラン限定」の企画である。
23年2月から予選がスタートし、2回のトーナメントラウンドを経て、同5月に決勝トーナメントを実施。決勝では東野幸治が司会を務め、全国ネットのゴールデンタイムで生放送されるという。開催に際して東野は、
「過去に『M-1』で思うような結果を残せなかった人とか、こんなはずじゃなかったと思って今もくすぶってるような人がいたら、この大会を利用してもらいたい」
とコメントした。バラエティー番組制作スタッフが言う。
「近年、芸人の高齢化が顕著になっていて、劇場のお笑いライブに中年芸人がいくつも出ていることなど珍しくありません。M-1が結成15年以内、R-1が芸歴10年以内と若手限定の大会となっているので、長年、鳴かず飛ばずのベテラン芸人にブレイクのきっかけを与えることは意義深いことだと思います」
ベテラン芸人救済の意味合いが強いわけだが、お笑い関係者は、
「大会の意義とは別のところで、主催のフジテレビが業界内で大ヒンシュクを買っているんです」
と明かすのだ。いったいどういうことかといえば、
「今年、芸歴15年以上の芸人を対象に企画した『G-1グランプリ』という、全く同じコンセプトの賞レースが、元ツインカムの島根定義が発起人となって始まったばかりなんです。12月9日には23年の第2回大会の概要が発表され、大会名が『崖っぷちNo.1グランプリ』に変更されることになった。さすがに『企画丸パクリ』と言われても仕方ないでしょう」(前出・お笑い関係者)
悪い意味でも「THE SECOND」であった。
(山倉卓)