岡田彰布監督体制が始まる阪神で最も宙に浮いた存在なのは、糸原健斗ではないか。
昨シーズンは132試合に出場したが、打率2割4分7厘、3本塁打、36打点と、レギュラーにしては物足りなすぎる成績だった。矢野燿大前監督時代は過保護なまでに「二塁・糸原」の聖域が作られていたが、岡田監督は新春インタビューで一塁・大山、二塁・中野、三塁・佐藤輝のレギュラー固定をほぼ明言。決まっていないのは「ショートだけ」と言うのだから、糸原は焦りまくっていることだろう。球団関係者が言う。
「本職は三塁で、去年までは二塁を守ることが多かったわけですが、この状況では控えに回らざるを得ません。2軍からも勢いある若手が上がってくれば、たちまちファーム降格も現実味を帯びてくる。他球団からは『いやらしさのある打撃は魅力』との声もあるが、守備範囲が狭すぎて打撃以上に足を引っ張ることも。分かっていないのは年中『猛虎応援団』の在阪マスコミと阪神ファンだけです」
ある意味、岡田監督は冷静さを保ち、外野から戦力分析し続けたのだろう。糸原はくすぶり続ける道へと突入するのか、それとも自ら道を切り開くのか。