かつて勤務していた葬儀場の面接でのエピソードとして「白いワイシャツに黒い肌着を透けさせたら受かった」と語るなど、エロチシズム溢れるトークと独特の世界観で人気を博した壇蜜。
そんな彼女をしばし絶句させたのが、15年11月18日に都内で行われた「えひめスイーツコレクション」キックオフイベントでの記者会見だった。
愛媛のイチゴをイメージしたという真っ赤なドレス姿で登場した壇蜜。すると、ある記者から、
「最近は若い世代の方が、出てきていらっしゃいます。例えば、橋本マナミさんとかも追いつこうとしていらっしゃいますが…」
いきなり、当時「愛人にしたいNo.1」をキャッチフレーズに存在感を高めていた橋本に関する質問が飛んだからビックリ。一瞬、固まってしまった彼女は「そうですねぇ…」と言ったきり、約6秒間も沈黙し、眉毛にしわを寄せた。その強張った表情が、報道陣の間に妙な緊張を走らせることになったのである。
とはいえ、そこはさすが壇蜜だ。そんな報道陣の微妙な空気感を察したのだろう、踵を返すと、
「他のタレントさんのことをこういう場で言うのは、あまりみずみずしくないと思います」
すぐにイベントの趣旨である「愛媛のフルーツ」にたとえ、軌道修正。事なきを得たが、なかなかどうして、このスリリングなシーンに、記者会見ならではの醍醐味を感じたことを憶えている。
実際のところは定かではないが、当時の芸能記事の中には、キャラクターが被る2人に対し、「共演NG」「火花散る」なるタイトルが躍ることも多かった。とはいえ、まさか公の場で、しかも実名で質問されるとは、さぞや本人も驚いたことだろう。
一方の橋本も、その1カ月後の12月16日、都内でスマートフォン向け配信サービスの新番組「橋本マナミの『羊の数』」の記者会見に出席。壇蜜の「6秒間の沈黙」について聞かれ、
「あれつながりですよね、6秒の…」
と苦笑い。続けて、
「壇蜜さんは、すごく好き。元々、グラビアを広げてくださったのは壇蜜さん。私は全然、及ばない。ただ、そこ(色香)は譲らない。来年も男性の方に喜んでもらえるように、頑張りたい」
フェロモン全開でそうアピールすると、翌日のスポーツ紙には「フェロモン女王バトル」なるタイトルが並んだのである。
その後、壇蜜は19年11月に、漫画家の清野とおると結婚。すると橋本も、同じく11月に、1歳下の勤務医との結婚をブログで発表した。この符合も単なる偶然か、あるいは…と勘ぐる声が上がったものである。
(山川敦司)
1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。