芸能

メンバーの死でも繰り広げられたチェッカーズ「ドロ沼の罵倒応酬」/壮絶「芸能スキャンダル会見」秘史

 83年に「ギザギザハートの子守唄」でデビューするや、瞬く間にトップバンドに上り詰める。藤井フミヤを中心とした7人組グループ、チェッカーズだ。グループでドラムを担当し、クロベエの愛称で親しまれた徳永善也が舌ガンのため死去したのは、04年8月17日である。

 ところが、9月12日に予定されていた、東京・新木場「STUDIO COAST」での「送る会」前日、編集部に2枚のファクスが届いた。送信元は、元メンバーの高杢禎彦と鶴久政治の所属事務所だった。

 うち1枚には「当日、11時30分から行われる記者会見において高杢、鶴久の両名は元チェッカーズのメンバーとして、徳永善也さんを6人で送りたいという希望を持っておりましたが、残念ながらその望みはかなえられませんでした」と綴られていた。

 もう1枚は、フミヤをはじめとした「送る会」発起人が高杢の事務所あてに送った通信文で、そこには「さて、記者会見なんですが、これに関しては送る会を立ち上げた発起人5人で行います。これまでの経緯上、そうする事が僕らの責任でもあり、義務だと思いますので、その旨ご了承ください」。つまり、2人への「出席辞退」申し入れともとれる内容だったのだ。

 高杢、鶴久と、フミヤらほかのメンバーとの確執が表面化したのは、92年の解散から11年後、03年6月である。高杢が、解散の真相と内幕を赤裸々に綴った著書「チェッカーズ」(新潮社)を出版したことがきっかけだった。

 同著の中で高杢は〈金のためなら恩も売る。これがチェッカーズの本質だったか!〉と、金銭トラブル、さらに、フミヤの恩師に対する「忘恩」などを暴露。それが両者の間に大きな「遺恨」を生み出したとされる。

 さて、「送る会」当日、最前列に4人が並び、2人は1列空けた3列目に。その距離が、埋めることができない両者の溝の深さを表していた。別々に会見に臨んだ両者。フミヤは、

「本自体はデタラメな本だから読まない方がいいよ、ってみんなに言われたので、僕は読んでいないし、ここにいるメンバーも読んでいないと思う。溝にならないと言ったら嘘になる」

 この言葉に対し、病床のクロベエを見舞うこともかなわず、死去の知らせも親族からの電話で聞いたという高杢は猛反発し、唇を噛んだ。

「誰が僕たちをクロベエに会わせなかったのか。面会は誰ならOK、誰はダメと、それを担当した方がいらっしゃるらしいと聞きました。残念でたまりません」

 クロベエは死の1カ月前、七夕の短冊に「みんなが仲良く」と綴っていたという。しかし、その願いはついに叶わなかったのである。

(山川敦司)

1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
上原浩治の言う通りだった!「佐々木朗希メジャーではダメ」な大荒れ投球と降板後の態度
2
エスコンフィールドに「駐車場確保が無理すぎる」新たな問題発覚!試合以外のイベントでも恨み節
3
これも「ラヴィット!」効果…TBS田村真子アナ「中日×巨人で始球式」に続く「次に登板するアナウンサー」
4
【高校野球】全国制覇直後に解任された習志野高校監督の「口の悪さ」/スポーツ界を揺るがせた「あの大問題発言」
5
日本人に大打撃!タイ政府「外国人締め出し」で長期滞在とビザ取得が困難に…そして口座凍結まで