1月16日、福岡市博多区のJR博多駅前で川野美樹さんが刺殺された事件で、元交際相手で飲食店従業員の寺内進容疑者が逮捕された。川野さんは会社員として働く一方で、夜は中洲の高級ラウンジで売れっ子ホステスとして働いており、同じオーナーが経営するバーで働く寺内容疑者として知り合ったようだ。
別れた直後に寺内容疑者がストーカーとなり、川野さんは警察に相談していた。水商売の世界において、同じ店やグループ内で働く女性キャストに手を出すのはご法度とされるが、
「恋愛関係になることや、今回の事件のようにトラブルに発展するケースは少なくありません」
と語るのは、30代のホステスだ。続けて、
「被害者の川野さんはシングルマザーだということですが、子供がいるホステスは情に厚く、ほだされやすいのかもしれません。私も以前、黒服と付き合っていたことがあります。酒癖は悪いわ、ギャンブルに溺れるわで、、次第にお金をせびられるようになりました。もう耐えられなくなって別れ話をしたら、今度は暴力を振るわれて…」
キャストと黒服が付き合っていることがバレると罰金が発生するため、誰にも相談できなかったと、このホステスは言う。その後も別れ話のたびに殴られることが続いたため、意を決して店を無断退店し、実家に戻ったという。ホステスが続けて告白する。
「ところが、次の仕事先がすぐ、その男にバレてしまったんです。見つかると暴力を振るわれるので、母と一緒に警察に行き、一時的にDV被害者を避難させるシェルターに入居することにしたんです。その間はスマホを使用することもできず、誰とも連絡を取ることができませんでした。その間に元カレが諦めてくれたからよかったものの、新しい住居や職場を探したりと、社会復帰するまでにだいぶ時間がかかりました」
川野さんからストーカー行為に関する相談を受けていた警察は寺内容疑者に、ストーカー規制法に基づく禁止命令を出していたが、それでも最悪の事態は起きてしまった。ストーカーやDV被害を撲滅させるため、さらなる法規制を考える時かもしれない。