一方で部員たちの間では、「イチャパラ禁止」(イチャイチャパラダイスの略)という言葉があり、性欲まる出しの男子部員は“監視係”からマークされることもあったというのだが‥‥。
「『K』というサークルは創立40周年を超える老舗サークルで、実態は単なるナンパサークルでしたが、『ヤリサー』(性行為を目的としたサークル)と思われるのが嫌だったのでルールを厳しくしたようです。でも、交際すれば性行為OKなので、サークル内では短期でつきあって、別れての繰り返し。穴兄弟、竿姉妹がいっぱいで、実態はヤリサーと変わらない気がします」(現役明大生)
さらには、こんな話もある。語るのは日本女子大出身のサークルOGだ。
「新(入生)歓(迎)コンパでは、スピリタスも持ち込まずに、一見すると普通のサークルに見えるんですが、本性を現すのが夏合宿の時。昼間にテニスの練習に真面目に取り組んだあと、夜には宿舎で大宴会になる。何でもありの無礼講な雰囲気になって、男同士でキスしたり、いきなりハサミで髪を切ろうとしてくる。1女はスピリタスに慣れていないから、1杯で潰れてしまう。ほとんど女子部員を酔い潰すのが目的で、豹変する男たちに身の危険を感じて、外に避難して合宿が終わると同時にやめる子も多い。私も1杯飲んだだけで意識がなくなり、朝起きたらなぜか飲む前と服が違った。何をされたか友達にも怖くて聞けなかったです」
新入生は、アルコールに慣れさせてから、徐々に「スーパーヤリヤリサワー」の洗礼で、貞操観念すらなくさせてしまう。あまりにも卑劣なサークル部員たちの狡猾手口が、脈々と伝統として伝わっていたかと思うと、薄ら寒くなるほどだ。
「それどころか、昏倒騒動があった直後には、部員の間で口裏を合わせて『ポンジョに迷惑をかけないように、飲み会には明大生だけが参加していた』とデマを流して、騒動を鎮静化させようとしていた。実際、OBにはサークルの幹部学生から『ネットは誤報だから信じないでほしい』と連絡が回っていました」(前出・OG)
こうした大学サークルの日常について、ノンフィクション作家の酒井あゆみ氏はこう語る。
「スーパーフリーを知らない世代でも、酔わせる手口は変わっていない。ただ、当時よりも女子大生の性に対する意識は低くなり、初体験が“サークルの男と3P”でも珍しくない。それでも、当然ながら全員がそういう女子大生ではないため、飲ませて行為に及んだことで、いつ強姦事件として訴えられてもおかしくない紙一重の状況です」
集団昏倒後、「K」の間ではこんな声が聞こえると、前出のOGは明かす。
「ポンジョはサークル活動に厳しく、今回の件で来年はサークルの公認が取り消される可能性が出ています。先輩たちが作ってきた伝統を自分たちで終わらせないために、どうすればいいのか検討しているようです」
内輪の論理で済むうちはよかったが、ハメを外した代償は、これから償わなければならないようだ。