新宿旧コマ劇場前で、明治大学のサークルに所属する複数の若い女性が昏倒する騒動が発生した。嘔吐、失禁など、ヤジ馬の視線そっちのけで倒れる男女たちは、いずれも「スーパーヤリヤリサワー」なるドリンクを飲んで、異常事態に陥ったという。かつて世間を驚愕させた「スーパーフリー事件」に悪用された“劇薬”を女子大生に飲ませたサークルメンバーの悪質手口とは──。
騒動は、6月20日午後10時過ぎに発生した。新宿・歌舞伎町の旧コマ劇場前は、週末も手伝って、多くの酔客でにぎわっていた。ところが、その通行人をかき分けるように、10人を超える若い男女が、路上で突然、意識を失って倒れたのだ。周囲には、有毒なガスが発生したような形跡もなければ、火災が起きた様子もまったくない。その場に居合わせた目撃者も、あまりにも不可解な光景に、騒然となったという。目撃者の男性が語る。
「若い女性があっちこっちで意識を失ったように倒れていて、地下鉄サリン事件や集団食中毒など、何か大きな事件に巻き込まれたのかと思いました」
すぐに、現場には警察官や救急隊員が駆けつけた。すると、周囲で昏倒している若者を介抱していた男性が顔面を蒼白にして、
「やばい! 通報された。早く起こせ!」
などと、周囲の仲間に呼びかけたという。目撃者が続ける。
「倒れている女性たちは彼らの呼びかけに反応しないどころか、嘔吐を繰り返したり、失禁して道路にシミを作っている女性や、パンツ丸出しで大きい方をしている人もいて、ニオイも臭くて異様な光景だった」
一瞬、警察官の間に「すわっトラブルか」と緊張が走ったが、その後、関係者に聴取を進めると、その場で倒れていたのは、明治大学と日本女子大学の公認のインカレサークル「K」に所属する学生の集団だとわかったのだ。社会部の記者が騒動を振り返る。
「警察に応対した男子学生は、『練習後に約30名のメンバーが旧コマ劇近くの居酒屋で飲み会をして、飲みすぎて倒れてしまっただけ』と説明。警察も薬物の症状などが見られなかったため、事件性はないと判断したようです。複数倒れている中で、急性アルコール中毒で女性(20)と男性(22)が1名ずつ救急車で搬送され、それ以外の学生は介抱していた学生の肩を借りて、その場から移動していきました」
新宿の繁華街で、酔っ払いが急性アルコール中毒で病院に運び込まれるといったケースは少なくない。しかし、10名近くのサークルメンバーが一斉に路上に昏倒する光景は、あまりにも異様だった。
「その場にいたヤジ馬が、写真や動画を次々にネット上にアップ。事件性はなかったものの、すぐに情報が拡散され、最終的には、大学側が謝罪する騒動となった」(前出・社会部記者)
だが、騒動はこれだけでは収まらなかった。このサークル「K」では日常的に、男女メンバーが入り乱れてのコンパが行われており、その場で「スーパーヤリヤリサワー」なるドリンクを飲んでは、乱痴気騒ぎを繰り返していたというのだ。