昨季26年ぶりの日本一に輝いたオリックス。キャンプインの前日に宮崎市街で歓迎パレードが開催された。主催した「オリックス・バファローズ宮崎協力会」によれば、県内外から約3万人のファンが駆けつけたという。確かにパレード前の歓迎セレモニー会場周辺は人でごった返していたが、パレード中に会場の高千穂通り約600メートルを歩くと、ひいき目に見ても発表の半分がいいところだ。そればかりか見物人からは、
「山本由伸(24)以外、誰が誰だか全然わからん」
「ホークスや巨人やったら、今日の5倍は人が集まっちょったね」
と心ない声が聞こえてくる始末なのだ。
なぜ、リーグ2連覇を果たしたチームなのに人気が出ないのか。その原因の一端は中嶋聡監督(53)にあるのかもしれない。キャンプ初日の囲み取材では「塩対応」ならぬ“塩返答”が目に余った。
初日の感想として滞りなく質疑応答が行われていたが、「今年の目標」を問われると一転して空気が凍りついた。
「いりますか‥‥? そんな大それたことは言えませんけど‥‥頑張ります」
と気のない回答。その後、別の質問者が「具体的な目標」について丁重に尋ねたのだが、
「今言わなきゃいけませんか? 言いません!」
とぶっきらぼうにシャットアウト。スポーツ紙デスクがフォローする。
「中嶋監督は極度の口ベタなんです。しかも、丸投げした抽象的な質問には、短いセンテンスの一言二言で返すフシがある。活字メディアであれば、考えを汲み取って文字に起こすことが可能ですが、映像メディアでは使える素材が集まらない。どうしても扱いを小さくせざるをえないんです」
リーグ3連覇のかかる23年シーズン。取材規制も薄れてきただけに、名実ともに充実したチーム作りをしてほしいものだが‥‥。