平成最後となるプロ野球シーズンの開幕まで残り3週間を切った。春季キャンプを経てオープン戦に臨んでいるセ・パ各球団の内情は──。「荒れ球注意」のキナ臭い話も聞こえてきた。
やはりキャンプから今季最大の注目球団は、4年ぶりに原辰徳監督(60)を招聘し、丸佳浩(29)ら巨大補強をした巨人だろう。
球団の期待を一身に背負う指揮官はさっそく、独自の色を出した。キャンプインからまだ間もない2月3日に異例の早さで紅白戦を実施。各選手たちに早い段階での仕上がりを暗に求め、主力たちからもマイペース調整を剥奪した。
「確かにいい意味でチーム内に緊張感を植え付けました。由伸体制の時にチンタラやっている選手も目立ったから、主力の間からは『原監督は休ませてくれない』と泣きの言葉も聞こえてくる。おおむね受け入れられてはいますが、主力たちの調整ペースが例年になく早く『飛ばしすぎではないか』と不安の声も出始めています。実際、オープン戦に入って主力の何人かが『疲労が抜け切れていない』と顔をしかめており、シーズンに入ってからパンクする事態が危惧されている」(チーム関係者)
早い段階での総仕上げには、新助っ人たちも戸惑いを覚えているようだ。新主砲として期待されるビヤヌエバ(27)は、実戦出場を重ねてもバットからなかなか快音が響かない。メジャーリーグの極東スカウト担当が、こう打ち明ける。
「2月早々から紅白戦メンバーとして出場していましたが、さすがにメジャーでもこんな早い時期からゲームはやらないので相当困惑していたそうです。ただし、それと打棒が湿りっぱなしなこととはあまり関係ありません。日本の投手が多投する変化球に対応できていないですから。バットコントロールがうまいタイプではないので、コーナーを突かれる投球をされると相当に苦労するでしょう。それから守護神候補のクック(31)の実力も疑問符です。マリナーズにクビを切られたタイミングで巨人に拾われました。しかしマリナーズ関係者からは『16年に右肘にメスを入れてから球威が落ちたうえ、走者を背負うと慌てるクックを獲ってくれるなんて、こちらからすれば“ありがとう”という気持ちだ』との言葉が出ているほどです。自慢の大型補強はキャンプ以前の問題だったかもしれません」
新加入といえば、首脳陣にも懐疑的な目が向けられていた。新たに就任した宮本和知投手総合コーチ(55)と元木大介内
野守備兼打撃コーチ(47)である。
「2人ともプロでのコーチ経験がない『元タレント』ですからね。キャンプ中は日テレのカメラの前で率先して身ぶり手ぶりを交えながらペラペラしゃべっている姿が目立ちました。それを『タレント気取りが抜け切れていない』と白い目で見ていた選手や球団関係者が、実は少なくなかった。特に宮本コーチは、4人の外国人枠について『投手で3人いただく』などと主張だけはするから、打撃コーチ陣から疎まれ始めています」(チーム関係者)