調査会社「インテージ」が2月14日のバレンタインデー前に行った調査結果によると、女性の8割が「職場での義理チョコをあげたくないと思っている」ことが明らかになった。男性も義理チョコを「もらってうれしくない」との回答が61.4%と多く、コロナ禍や社会の変化とともに、義理チョコ文化が消えつつあるようだ。とはいえ、そんな世相でも、
「それでも義理チョコをあげないといけないのが、私達の仕事なので…」
と話すのは、夜の世界に勤めるホステスだ。水商売のバレンタイン事情を聞いてみると、
「私達だって、別に用意しなくていいなら買いたくないですよ。せっかくチョコレートを用意しても『店に呼ぶ営業だろ』と言われるのはしょっちゅう。当日、チョコレートを渡しても『あー、いらない』と突っ返されることもあります。特にコロナ禍になってから、夜の店に行ったのが奥さんにバレたら困る、という人が増えましたね。毎年、多めにチョコレートを用意しますが、結局は余ってしまうので、もったいないなぁとは思います」(関西のラウンジに勤める30代ホステス)
それでも普段、お世話になっているお客さんにチョコレートを渡すのは「夜の世界の習わし」だという。一方、都内のキャバ店に勤務する20代の女性からは、こんな悲鳴が。
「バレンタインは店でイベントがあって、強制同伴日なんです。2月なんて閑散期だからお客さんが全然つかまらないので毎年、憂鬱ですよ。チョコレートも配らないといけないのですが、以前は手作り。材料費が安く済んでよかったのに、コロナ禍になってからは手作りを嫌がる人が多くなり、買いに行っています。安いチョコレートだと値段がバレるので、そこそこのを買うようにしていますが、出費が痛いですね」
なお、「もらってうれしくない」という回答では40代男性の比率が最も高い。ホステス達はこの閑散期こそ、バレンタインに懸けている面があるだろう。客層のメインである40代男性の回答に、なんとも物悲しそうな顔をするホステス達であった。
(カワノアユミ)