ボクシング前世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥が、スーパーバンタム級に転向。5月の日本開催を目指しているという、WBC&WBO世界同級王者スティーブン・フルトン(アメリカ)との戦いに「黄信号」を唱えたのは、元WBA世界ライトフライ級チャンピオンの具志堅用高氏だった。
「やりづらい。ボクシングうまいね。目がいいね。パンチもらってないね。こんなボクシングされたら、簡単には倒せないと思うな」
自身のYouTubeチャンネル〈具志堅用高のネクストチャレンジ〉でそう分析し、フルトンを最大限に警戒したのだ。具志堅氏が評価したのは、22年6月24日、フルトンがダニエル・ローマン(アメリカ)を3対0の判定で退けた試合だった。
「フルトンがポイントアウトする可能性もありますか」
スタッフにそう問われた具志堅氏は「あります」と答えるが、一方で、
「恐くはない、そんなに。フルトンは一発で倒すようなボクシングじゃないですね。計量後、体重を上げるじゃないですか、ボクサーは。まだ食べ物が入ってるんですよ、お腹の中に。昔の試合と違って、お腹打たれたらキツイですよ」
ボディブローが効果的だと指摘した。
ただし、井上にとっては初のスーパーバンタム級での試合。勝気に高じて倒そうと顔面狙いにいけば、フルトンの術中にハマる──。具志堅氏はそうも懸念した。
井上と2度、世界戦の舞台で拳を交えた元WBA世界バンタム級王者ノニト・ドネア(フィリピン)は、日本開催でも「フルトンの3対0の判定勝ちも可能だよ」と口にしている。
フルトンの戦績は、21戦21勝(8KO)。一方の井上は、24戦24勝(21KO)。巧みな防御のテクニシャンに、はたしてモンスターの豪打は当たるのか。
(所ひで/ユーチューブライター)