「ぶっちゃけ危ない場面ってなかったじゃないですか、8ラウンド戦って。(相手は)世界チャンピオンですよ、2団体の。それと8ラウンドやって危ないところがないってスゴイことですよ、普通に考えて」
ボクシング元WBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志氏がそう言って舌を巻いたのは、スーパーバンタム級転向初戦でWBCとWBOの2団体世界王者となった、井上尚弥の圧倒的な戦いぶりだった。7月25日にスティーブン・フルトン(アメリカ)に8回TKOで勝利したことを受けて、YouTubeチャンネル〈内山高志のKOチャンネル〉で絶賛したのだ。
これまで21戦21勝(8KO)と無敗を誇り、ダウンしたことすらなかったテクニシャン相手に「勝つのは簡単ではない」と危惧する声もあった。ところが、それを跳ねのけてモンスターぶりを発揮し、世界4階級制覇を成し遂げたのだから、内山氏の言葉も頷ける。
「40歳…40何歳までやっても負けそうにないですね、井上尚弥は。今日の(試合を)見ちゃうと…。YouTubeで『判定で井上尚弥』とか言ってるんで、過小評価したわけじゃないですけど、またみんなに文句言われるんだろうな。お前は井上尚弥の(過去の)試合見てねぇとか…」
そう「弁解」して苦笑する内山氏。井上の次戦については、
「予想の二段、三段上までいっちゃうんで、今度、井上尚弥の予想をする時、全部『KO勝ち』って言います」
まさに全面降伏の「謝罪」である。会場を訪れていた、WBAスーパー&IBF世界スーパーバンタム級王者マーロン・タパレス(フィリピン)が試合後のリングに上がると、4団体統一戦を熱望する井上との年内の対戦に「合意」。今度こそ、内山氏の戦前予想は当たるか。
(所ひで/ユーチューブライター)