「不貞の代償」か、それともキャンプバブルの終焉か…。アウトドアブランド大手「スノーピーク」の2022年12月期決算が2月13日に発表され、3年ぶりの減益に転じた。
スノーピークといえば、昨年9月、三代目社長・山井梨沙氏が既婚男性との交際および妊娠を理由に辞職が発表されたことは記憶に新しい。
不貞妊娠の公表から1カ月前に、同年第2四半期決算を発表した際には通期の業績予想も下方修正され、一転減益となる見通しに株価はピーク時の半値以下まで下落していた。まさに立て直しを図っている時期の大醜聞だったのだ。
しかも、今回の通期業績はその下方修正を下回っている。
「新型コロナの影響で火がついたキャンプ人気、キャンプバブルはすでに終わりを迎えたと言われていて、ただでさえ業績の鈍化は避けられない状況でした。そこに梨沙氏の『不貞略奪妊娠』で完全に女性客にそっぽを向かれてしまった」(アウトドア誌記者)
スキャンダルの報道後、今でもメルカリやヤフオクに同社製品が溢れているのは偶然ではないだろう。
「ある女性キャンパーは、『キャンプの朝ごはんを作っているときに不貞騒動で傷ついた不貞相手のお子さんは今どうしているんだろう、と思い出してしまった。キャンプから帰ってきてすぐに同社製品をメルカリに出品した』と言っていましたね。1人であれ、友人や家族とであれ、キャンプは『リア充の象徴』ですから、株主はともかく顧客にはジワジワと影を落としているのでしょう。トルコ・シリア地震の際にアルピニストの野口健氏が被災地に送る寝袋を募集したところ、ライバル企業である『コ─ルマン』がいち早く2000個の寄付に応じた。これをスノーピークがしていたらまた企業イメージ改善にもなったでしょうが…」(前出・アウトドア誌記者)
社長に再就任した梨沙氏の父親である山井太氏がいかにしてこの苦境を脱するか注目されるが、まだまだ消費者の怒りは収まりそうにないのである。