社会

出生数激減は当たり前!コロナ陽性妊婦が拒絶するモラハラ夫との「夜の営み」/コロナ残酷物語

 2022年に生まれた子供の数(出生数)は79万9728人と、1899年の統計開始以来、初めて80万人を下回ったことが、厚生労働省の人口動態統計(速報値)で分かった。出生数には外国籍の子供も含まれており、日本人に限れば77万人を切るのは確実だ。

 この3年間、保健所などでコロナに感染した妊婦を看てきた筆者からすると、出生数は50万人を切ってもおかしくなかったと思う。それくらいコロナ禍の妊娠、出産は苦難の連続だったのだ。

 まず、コロナ陽性になった妊婦の体調が悪化しても、入院先がない。この3年間、ニュースで「病床使用率」という言葉を何度も耳にしたことがあるだろうが、コロナ病床を占領してきたのは高齢者と糖尿病患者であると断言する。

 高級老人ホームでクラスターが発生し、自力呼吸が難しい寝たきり老人などが救急車に乗って、次々とコロナ病床に運ばれてくる。

 新型コロナというよりも、いってみれば老衰ゆえ、治る見込みなどない。そんな高齢者に処置をすればするほど税金が転がり込んで儲かる仕組みなので、悪徳病院は老人に点滴、人工呼吸器、強制排尿などあらゆる手段を駆使し、やがて心臓が止まるまで何十日も延命させる。

 行政や保健所は妊婦や子供の入院先を確保したくても、モンスター老人とモンスター家族に突き上げられた介護施設の職員が救急車を呼ぶ。救急車は何十カ所もの病院に断られるが、金満老人とモンスター家族は納得しない。

 救急車は2時間も3時間も足止めを食らい、救急隊員はモンスター家族に怒鳴られる。与党の地方議員の中には、職権濫用で保健所職員を怒鳴りつけた者がいたことも明記しておく。

 その間、流産しかけた妊婦や、熱性痙攣を起こした子供を運ぶ救急車が管内に1台もないという綱渡りが、1000日以上も続いた。事実、2021年8月には、千葉県のコロナ陽性妊婦の搬送が間に合わず早産、胎児が死亡する悲劇が起きた。

 そんな危機的状況にあって、産科医や保健所は体調が悪化する前に、コロナだろうとコロナでなかろうと妊婦に早期入院を勧めてきたが、そこで思わぬラスボスに遭遇する。「モラハラ夫」だ。

 テレビニュースに登場する「育児に協力的な夫」など、ほとんどいない。現実には高熱と激しい喉の痛みと吐き気で脱水症状を起こした妊婦の入院すら許さない、モラハラ夫だらけだ。

 国も自治体もコロナ陽性妊婦には原則、入院加療の方針だが、実際に入院する妊婦はゼロに近い。夫の許可が得られないからだ。モラハラ夫に理由を尋ねると、皆が同じセリフで逆ギレしてくる。

「俺はテレワークで忙しいんだ。子供の世話なんてできるか。妻を入院させろ? じゃあ、俺の食事と洗濯はどうしてくれるんだ」

 夫がキレた場合、自治体コロナ医療業務を丸投げしているピンハネ業者…ではなく人材派遣会社から「すぐに謝罪しろ」と圧力がかかる。ピンハネ業者とお役所にとっては、妊婦と胎児の命を守ることより、住民からのクレーム回避の方が重要なのだ。

「嫁のお腹にいるのはテメエが仕込んだ子供だろ。テメエの食い物なんて、コンビニに行け。洗濯もコインランドリーに行け。洗濯機のボタンひとつも押せないとか、アホか」

 そんな言葉をグッと飲み込み、引き下がるしかない。結局、妻は、

「こんな夫だから、子供の世話なんて任せられないんです。東京都には子供と一緒に療養できる施設はないのですか。子供と一緒に入院できないなら、私が入院している間に子供は死にます。入院は諦めます」

 と溜め息をついて、入院を断ってくる。

 DVや虐待で子供の命が失われようと、コロナで医療崩壊しようと、母親と子供が一緒に過ごせる療養施設、母親が病気になった時に子供を預けられる施設が、一部のシェルターを除けば、この国には制度として存在しない。それだけでも、国や東京都の少子化対策がトンチンカンなのがわかる。近くに祖父母がいれば子供も預けられるだろうが、地方出身者は孤立無縁だ。

 大きなお腹を抱えた妊婦が40度の高熱を出し、息が上がりながらもモラハラ夫のために料理と洗濯を続ける。まさに奴隷だ。結婚生活で擦り切れた妻が2人目、3人目の子供など望まないのも、モラハラ夫との性行為に応じないのも、必然と言えるだろう。出生数減少は妻の怒り、世の中と夫への、せめてもの抵抗なのだ。

 各メディアの世論調査によれば、60歳以上は少子化対策に否定的な回答が過半数を占めるらしい。それなら社会保険料は60歳以上、60歳以下の世代別会計に分けるべきだ。金満老人の治療費まで若い世代、育児世代に押し付けているから、少子高齢化は国が滅ぶレベルまで進んでいるのだ。

(那須優子/医療ジャーナリスト)

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