突然死の危険もある「不整脈」。脈のリズムや頻度が不規則に打つ状態を指すが、安静時の脈拍は、実に1日に約10万回程度拍動している。しかし、何らかの原因によりこのリズムが崩れることがあるのだ。
「不整脈」は3種類に分類される。
1つ目は「期外収縮不整脈」。脈が一瞬飛んだり、リズムが乱れて不規則な打ち方をしたりする。症状として、胸がドキドキしたり、詰まった感覚などが現れる。
2つ目は、通常よりも脈がかなり遅くなる「徐脈性不整脈」だ。1分間の拍動が50回未満の場合はこれに該当する。症状として、息切れやだるさ、足のむくみ、めまいなどが現れる。
3つ目が、脈が異常に速くなる「頻脈性不整脈」だ。1分間の拍動が100回以上だとこれに該当する。脈拍数が増加するにつれて、動悸、めまい、冷や汗、吐き気などの症状が現れてくる。
この不整脈から心臓弁膜症が検出されることもある。また、放置しておくと心筋梗塞や心不全を起こすこともあるのだ。加齢も影響し、特に60歳を超えると、誰にでも起こり得るので注意が必要。他にも、高血圧、生活習慣なども影響することが多い。
不整脈は自分で脈拍をチェックすることである程度は診断できる。まず、手のひらを上向きにして、人さし指、中指、薬指の3本の指の腹で、親指側の手首を触り、10~15秒ほど脈に触れる。その際に、不規則に感じたり、1分間に60~100回程度の脈拍ではなかった場合は不整脈の疑いがある。
「不整脈」は漠然とした怖いイメージがあるが、9割程度は治療しなくても問題はない。残りの1割は命に関わる危険がある。脈の乱れに加えて、動機や胸部の痛みなどの症状がある際には、必ず医療機関を受診しよう。
田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。