ロシアのウクライナ侵攻を後押しするベラルーシのルカシェンコ大統領と、中国の習近平国家主席が3月1日に会談した。
ウクライナ侵攻に対して中国は形式上、独自の和平案を提案しており、親ロシア派のルカシェンコ大統領に対し、習主席がどう応じるかが注目された。政治ジャーナリストが解説する。
「ベラルーシは現在、欧米各国から経済制裁を受け、ロシア同様、相当な打撃を食らっています。ここで中国との関係をしっかり結びつけておけば、経済協力が期待できるという思惑があるのでしょう。ルカシェンコ大統領は2月17日にプーチン大統領と会談しており、習主席にロシアへの武器供与を求めた可能性もある。いわば『プーチンの伝書バト』というわけです」
現在、欧米各国は中国がロシアに兵器を輸出するのではないかと目を光らせ、アメリカは中国が殺傷能力がある武器支援を検討しているとみて、再三にわたり警告を発している。
「習主席にしてみれば、ロシアへの武器供与で戦争終結後に『共犯者』として裁きを受けるのは、絶対に避けたいシナリオ。そのため今回の会談では表面上、和平を促すアピールをしつつ、ベラルーシの顔を立てるため医薬品や食料品などに偽装して送る約束をしたとも考えられます。ただ、大量に支援することはせず、ロシアが弱体化するのを待つ。そして、ゆくゆくはロシアを『属国』とする計画を立てているとの指摘もあります」(国際ジャーナリスト)
ロシアの弱体化が進めば、最も危険な国となるのは中国と言えるだろう。
(ケン高田)