中国からの渡航者に対する水際対策が3月1日に緩和され、各地の空港は多くの中国人観光客で溢れている。中国人観光客による「爆買い」が期待される中、外国人観光客に人気の都道府県ランキングをまとめた統計によると、1位・大阪府、2位・東京都、3位・京都府と千葉県、5位・奈良県…と、近畿地方がトップ5の3つを占めている。
だが人気があるのは、外国人観光客からだけではない。全国旅行支援で国内旅行が盛り上がる中、関西への日本人旅行者が急増しているのだ。特に人気なのは大阪で、週末にもなれば、グリコサインがある道頓堀(写真)には多くの観光客が集まっている。なぜ、これほどまでに大阪旅行が人気なのか。頻繁に大阪を旅行しているという、都内在住の30代男性の解説を聞こう。
「大阪はなんといっても、宿や食事が安いのが魅力です。都内ではどんなに探しても、5000円以下のホテルはありえなく、あったとしても、カプセルホテルやドミトリー。大阪なら3000円も出せば、シングルの部屋に泊まることができる。飲み屋も流行りのせんべろより安く、飲み放題1000円という店も多いです。東京の食事は安かろう悪かろうですが、大阪は安くても満足度が高いですね」
江戸時代に物流、商業の中心地であった大阪は食の都と昔から言われるだけあり、伝統的な料理から安価で庶民的な食べ物まで幅広い。その食文化は外国人観光客だけでなく、府外からの旅行者の胃袋もつかんでいるのだ。
その一方、月に一度は大阪に行くという20代男性からは、意外な声が。
「YouTubeで西成のチャンネルを見て、大阪に興味が湧きました。行列ができる激安ホルモン屋や、昼間から開いてる立ち飲み屋など、東京とはまた違ったディープさに惹かれます」
日雇い労働者などに向けた、1泊1000円程度で泊まれる簡易宿泊所が多く、昨今、外国人バックパッカーから注目されている西成。YouTubeを通じて、若者が大阪に興味を持つきっかけになっているようだ。