コロナ規制が緩和された今、久しぶりに海外旅行する日本人が増えている。旅行先として人気なのはハワイ、ヨーロッパ、韓国などだが、世界的な物価上昇で、悲痛な声が上がっている。特に韓国の物価はここ2~3年で急上昇しており、10年前と比較すると50%もの上昇率となっている。先日、韓国を訪れた女性が苦々しい表情で振り返る。
「K-POPアイドルの聖地巡りに行ったのですが、とにかく食費が高くて、余計な出費がかさんでしまいました。参鶏湯は2万ウォン(約2188円)、冷麺は1万5000ウォン(約1641円)、カンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)が3万ウォン(約3282円)。ロシアとウクライナ戦争の長期化による影響で、原材料が高騰しているようです」
食費だけで1日1万円近くかかってしまい、アイドルグッズ購入で散財するはずが…と女性は肩を落とすのだ。ひと昔前は日本より物価が安いという印象があった韓国だが、最近は円安の影響もあり、気軽に旅行できる国ではなくなりつつある。
韓国の日系企業に勤務する日本人男性も言う。
「2022年の1年間で、ガス料金が40%も値上がりしました。以前は外食=安いイメージがありましたが、今はランチだけでも精一杯です。夜遊びなんて、しばらくしていません。江南(写真)のルームサロン(女性が接待する店)は1人最低50万ウォン(約5万4000円)から。庶民の味方である焼酎やビールも5.5%~7.6%値上がりし、仕事後にバーで一杯…ですら贅沢な気がします。最近は若者向けの激安居酒屋で飲むのが、唯一の楽しみですね」
物価上昇にあえぐのは、日本も韓国も同じ。こんな状況がいつまで続くのか。