現在開催中のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の中継の新顔といえば、大手ネットサービス「アマゾン」が展開する動画配信サービス「プライム・ビデオ」の生配信だろう。ところが、新進気鋭のプライム・ビデオの生配信は、当初からトラブルが多発した。
今回、この生配信の実況に抜擢されたのは、文化放送の斉藤一美アナだった。入社以降、バラエティー番組を皮切りに、スポーツ、報道と渡り歩き、再びスポーツに戻って1年後に、アマプラの番組に起用された。
「彼は長年、西武を応援する中継『ライオンズナイター』の人気アナウンサーとして君臨しましたが、2017年春から続いた『斉藤一美 ニュースワイド SAKIDORI』が終わると決まったタイミングで、どこからも番組出演の声がかからなかったといいます。今年3月24日で55歳になりますが、今まで実況でも打ち合わせでも我が強すぎて『暴走癖』があり、スタッフとの折り合いがかなり悪化していた。今回の実況は、彼にとっても局にとっても、挑戦でした。もしも評判がよければ、フリー転身の足掛かりにしたい意向もあるようです」(文化放送関係者)
だが、映像のあるスポーツ中継初挑戦の壁は高く、相変わらずの実況スタイルに批判が殺到することに。途中からシフトチェンジしたが、あとの祭りだった。
「局内では『やらかしたね』と失笑を買ってますよ。仕事が終わっても、居場所はあまりないと思います。あとは本人がどう決断するのか…」(前出・文化放送関係者)
冒険は勝算があって初めてやるものだと証明された、WBC中継の舞台裏である。