朝のワイドショー戦争で、世帯視聴率、個人視聴率ともにトップをひた走る「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)。王者の余裕なのか、3月17日の放送ではなんと『ワールド・ベースボール・クラシック』の特集を90分にわたって展開し、視聴者を閉口させた。
「番組が120分ありますから、その大半をWBCに充てたことになります。オープニングで可愛いペットを紹介するコーナーを4分程度やった後、止まることなくWBC報道を押し進めました」(テレビウォッチャー)
前日16日には侍ジャパンが準々決勝でイタリアを破り、準決勝進出を果たしている。負ければ終わりの大一番だったが、「モーニングショー」は試合前のナインの様子から始まり、試合の詳報、さらにはそれを見に来たファンの様子、東京・新橋の居酒屋のテレビで観戦する酔客の盛り上がりなどを、40分にわたって伝えた。
その後、スタジオでいつものパネル解説に入った。羽鳥の隣には第1回、第2回のWBCの優勝メンバー・岩村明憲氏が登場し、改めて試合を振り返っていった。
「さらに驚きだったのは、開始から約1時間が経った9時14分、前日のテレビ朝日系でのWBC中継の視聴率を『速報』扱いで、森山みなみアナが伝えたことでした。個人全体で31.2%(ビデオリサーチ調べ、関東)。世帯視聴率ではWBC歴代最高視聴率だったとのことです」(前出・テレビウォッチャー)
だが、これだけでは終わらない。侍ジャパンはフロリダに渡り準決勝に臨むのだが、移動の際の時差ボケについて心配するなど、もはや情報性もなく、雑談レベルにまで落ちていったのだ。
「当然というべきか、視聴者からは『いつまでWBCのことやってるんだよ』というアキレた声が噴出。連日のWBC狂騒曲に『羽鳥ベースボールショーに番組名を変えたら』という辛口アドバイスも見られました」(テレビ関係者)
だが今回、テレ朝とTBSは放映権料として推定20億~30億円を支払ったといわれている。それを思えば「大特集」もやむをえないことなのか。
(橋本良一)