テレビ朝日は8月10日、東京五輪担当スタッフ10名が8日夜に緊急事態宣言下の都内のカラオケ店で打ち上げ目的の宴会を行い、参加者の20代女性社員が9日未明の退店時に店の外に転落して負傷し、救急搬送されたと発表した。警視庁によると、女性社員は店の2階窓から転落し、左足骨折の重傷だという。
10名はスポーツ局の社員6名と社外スタッフ4名で五輪放送に関係する仕事に携わるディレクターやADとのこと。五輪の閉会式当夜に起きた不祥事に、テレ朝は「不要不急の外出等の自粛を呼びかける立場にありながら著しく自覚を欠く行動があったことは大変遺憾であり、深く反省しています」などと謝罪のコメントを発表している。
この騒動にネットでは「五輪で浮かれた人が飲みに出かけて感染拡大なんて報道していた連中が一番浮かれてるとは」「集団で飲んで騒いじゃアカンってわかってるよね?自分たちは特別と思ってるのか?」「コロナで救急医療も大変なのに。くだらない理由で骨折して救急医療を圧迫するな!」「国民や政治家の飲み会を批判しておいて、自分たちも飲み会やってちゃ説得力ないだろ」「もうテレ朝の自粛呼びかけには誰も耳を貸さないだろうな」と批判が殺到。10日夜放送の「報道ステーション」では、富川悠太キャスターが謝罪文を読み上げ、番組コメンテーターで共同通信編集委員の太田昌克氏は「コロナ禍の今だからこそ、メディアやジャーナリズムに対する市民の信頼が何より大切。しかしそれを裏切ってしまった」と、怒りの面持ちで語った。
翌11日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」では羽鳥慎一キャスターが「今回のことはありえない。自覚がないというレベルをはるかに超越しています。やってはいけない立場の人間が、やっていけないことをすべてやっていました」とコメント。テレ朝社員でコメンテーターの玉川徹氏は、社員として頭を下げ、緊急事態宣言下で自粛を呼びかけている立場の人間が宴会をしたこと、五輪に関して感染拡大が危惧される中で五輪担当の社員が宴会をしたこと、医療体制がひっ迫する中で無用な負荷を救急医療体制にかけてしまったことを問題点として挙げていた。
「局関係者はみな、頭を抱えているでしょうね。感染拡大防止を呼びかけている側が、裏で感染拡大させかねない行動をしていたのですから。宴会に参加した人物への厳しい処分は避けられないでしょう」(報道関係者)
羽鳥は「これからも番組ではコロナ関連の外出自粛等注意喚起を、大切なことなので呼びかけて参ります」と「決意」を口にしたが、はたして視聴者は今後、彼らの呼びかけに耳を傾けてくれるのだろうか。
(石見剣)