「今日で監督は終わるので。明日からは本当にまったく何もない、肩書のない人になっちゃう」
WBCの優勝会見でそう語ったのは、侍ジャパンを率いた栗山英樹監督だ。ではその後を引き継ぐのは誰なのか。早くも関心はそこに移りつつある。
「有力候補として名前が挙がっているのはイチロー、そして古田敦也という面々です」(スポーツ紙デスク)
なるほどそうか、と頷きたくなる候補者だが、
「WBC開催中は沈黙を貫いていたイチローが、ここにきてダルビッシュ有に言及するなど、次の日本代表監督を意識しているかのようにも思えます。ただそうなると、前任者とのあの『因縁』がどうしても浮上してしまう…」(スポーツジャーナリスト)
この「因縁」は本サイトでも既報の通り(3月15日公開記事)、イチローと栗山監督との間にできたもの。イチローを支えてきた弓子夫人が、かつては栗山監督の婚約者だったという微妙な問題だ。当時を知る前出のスポーツジャーナリストが振り返る。
「1996年にイチローと葉月里緒奈との交際、破局が報じられた際、イチローは人間不振に陥り、コーチや選手、記者団とひと言も交わさなかった時期があります。携帯電話にも出ず、チーム内では『腫れものに触る状態』だった。そのイチローにただひとり、携帯電話の留守電メッセージを残したのが弓子夫人でした。弓子夫人はその前年、婚約者だった栗山監督から一方的に別れを告げられて破局。当時はスポーツなどを担当する女子アナだったこともあり、自分自身で記者団に破局を説明しなければならない、辛い経験をしていた。イチローと交際に発展するまでに、時間はかかりませんでした」
次期侍ジャパン監督候補には、高橋由伸や工藤公康といった名前も挙がっているが、
「WBCを主催する米メジャーリーグと選手会は、北米と南米の視聴率を上げるために『レジェンド』イチローと『ユニコーン』大谷翔平が共に戦うドリームチームを切望しています。もしイチローが引き受けるとなれば、栗山監督との緩衝材として注目されるのが、ダルビッシュ有。今回、若手をまとめあげた人望と経験を認められ、投手兼コーチとして日本代表メンバーに再び召集されるかもしれません」(侍ジャパン関係者)
そんな仰天プランが実現するかどうかはまだわからないが、アリゾナで「後輩たちが今回のダルの思いをつなげていってほしい」と、あえて栗山監督や大谷の名前を外して、WBC優勝を祝ったイチロー。もし「引き継ぎ」となった時、長年の「因縁」は雪解けとなるのかどうか。
新侍ジャパンは、今年11月に東京ドームで行われる「アジアプロ野球チャンピオンシップ」でスタートを切る。