WBCは侍ジャパンの14年ぶり3回目の優勝で幕を閉じ、いよいよ代表選手それぞれが自チームに戻り、ペナントレースが始まる。そこで懸念されるのが「WBC後遺症」だ。スポーツライターが語る。
「あの大谷翔平も日本ハム時代、WBC17年大会の代表に選出されたものの、結局は調整不足で辞退しました。このシーズンは春先から足の故障で登録抹消され、出場が65試合にとどまるなど、コンディションの悪化に悩まされています。強化試合に出ただけでこれですから、いかにWBC前後の調整が難しいか」
その17年大会に出場したヤクルト・山田哲人は前年、前々年とトリプルスリーを達成しWBCで活躍したものの、シーズンに入ると不振に陥った。打率2割4分7厘と苦しんだ上に、チームも最下位に沈んでいる。
当時は日本ハムの中田翔も、WBCでは3本塁打を放つなど要所で存在感を示したが、シーズンは打率2割1分6厘と自己ワースト、リーグ最低を記録したほどだ。
「野手に限らず、投手でも松坂大輔などはレッドソックス時代に出場した09年大会後、右肩の疲労により4月に故障者リスト入りしました。そのまま完全に復調することなく、勝ち星は前年の18勝から4勝に激減。翌シーズン以降も故障が続発したことで、日本への出戻りを余儀なくされています。松坂は06年に続き、2度目のWBC出場だったのにです。経験があったとしても調整は難しく、時には選手生命をも縮める危険性を孕んでいるということです」(前出・スポーツライター)
WBC出場選手はチームの主力だけに、その後の好不調がペナントレースの行方にも影響を与えるのだ。