多彩な特技を生かしてバラエティー番組でも人気を博す女優の田中道子(33)。昨年は超難関の「一級建築士」試験に一発合格する一方、競馬ファンから“バチコン姉さん”と呼ばれるなど、生粋の穴党でもある。
才色兼備の女優は多かれど、博才まで持ち合わせているとなればマレだろう。
21年9月26日、準レギュラーを務める「みんなのKEIBA」(フジテレビ系)内で神戸新聞杯の予想を披露。単勝1.8倍のダービー馬シャフリヤールを入れない強気の3連単フォーメーション(計60点)で見事、8万9330円の大万馬券を的中させた。
「番組内で当てられたことが、いちばんうれしかったですね。私は穴党なので、まず1番人気馬に不安要素がないか探します。シャフリヤールはダービー以来4カ月ぶりで、当日は雨で不良馬場でしたから、負けるとしたら、ここかと」
競馬との出会いは、上京したばかりの15年5月3日、東京競馬場だった。
「友人たちに誘われて4人で行きました。ちょうど春の天皇賞が京都で行われていて、馬名からカレンミロティック(10番人気)とフェームゲーム(7番人気)を選びました。友達にカレンちゃんがいて、私がゲーム好きだったからです。友人に『ゴールドシップは買ったほうがいい』とアドバイスされたので、3頭を絡めた3連単を4点購入したら23万6300円馬券が当たった。まさにビギナーズラックですが、その時は、こんなに簡単なんだって思っちゃいましたね」
万馬券の醍醐味に魅せられるや、週末の予想も本格化。3年ほどの間に“パドック通”になっていた。
「すっかり“沼”にハマりましたね(笑)。『3度の飯よりギャンブル』という感じで、食費を削って馬券を買ってましたから。あの頃は1人でも競馬場に行って、パドックの前に新聞を広げて腰を据えて予想していました。テイクアウトのソバをすすりながら(笑)」
競馬仲間からは“12レースの田中”と呼ばれ、うまくいくこともあれば、深~い傷を負うことも。ただ、さすがにアラサーを迎えると、ギャンブル中心の生活から足を洗うことを決意をする。
「女優のお仕事をしているのに、1日1食、それもカップラーメンはマズイですよね(笑)。今はもう、3連単の刺激に麻痺していた時期は越えて、複勝でも十分楽しんでいます」
とはいえ、21年5月1日のストークSで、18番人気ユニコーンライオンの複勝5060円を当てるなど、大穴党ぶりは変わらない。
「今は引き際が大事だと思っていますが、大勝負はやっぱり3連単。的中率なんてどうでもいい。回収率が大切というスタンスは変わりませんね。もちろんトリガミなんてもってのほか。末代までの恥です(笑)」
競馬と出会って約8年経つが、その経験は競馬観だけではなく、プライベートでも生かされている。
「仮に10番人気の馬で、周りの人から見れば勝つ可能性が1%の期待値だとしても、人気馬と見比べて遜色なければ、私からすれば勝つか、負けるかのフィフティ・フィフティ。なので昨年受験した『一級建築士試験』も、合格率は9.9%だから諦める、という思考にはなりませんでしたね。受かるか、受からないか」
最近は麻雀にも興味がわいてきている。
「『雀荘に出入りしているスナック務めの女』を演じてみたいんです(笑)。雀荘ではかわいがられているけど、スナックではくすぶっている感じの女性の役。そのためにはまず、麻雀牌を上手にさばけないといけないんですけどね」
勝負師“バチコン姉さん”の打ち筋も、スクリーンで観てみたいものだ。
田中道子(たなか・みちこ)89年8月24日生まれ。ミス・ワールド2013日本代表。16年のドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)で女優デビュー。昨年12月、一級建築士試験合格。4月5日スタート「解体キングダム」(NHK)にレギュラー出演中。