開幕カードで復活の狼煙を上げたのが、巨人の梶谷隆幸である。2試合に出場して8打数3安打を記録。20年オフに国内FA権を行使してDeNAから巨人に4年総額8億円の大型契約で移籍したが、21年シーズンの5月に左太腿を負傷したのを皮切りに、腰や膝を故障するたびにメスを入れた。ここ2年間はリハビリ中心の、ファーム暮らしが続いていた。スポーツ紙デスクが解説する。
「22年オフには育成選手に降格。球界初となる1億円超えの育成契約となりました。開幕直前まで2軍暮らしが続いていましたが、3月24日に支配下に復帰。昨季レフトのレギュラーだったウォーカーが、オープン戦で19打数1安打の不振に陥ったのは、梶谷にとってはラッキーだった。と同時に、左打ちの外野手である松原聖弥や岡田悠希のコンディションが芳しくなかったのも、支配下復帰の追い風になった」
4月4日のDeNA戦では、代打で今季初打点を記録。まさに復活のシーズンにふさわしいスタートを切ったが、「安心するには時期尚早ですよ」と、前出のスポーツ紙デスクが前置きして、こう続ける。
「常にケガのリスクと隣り合わせの体なんです。梶谷は両足のくるぶし同士をくっつけて直立した時に、両脚の膝の間にすき間の生じる『O脚』。太腿や脛の外側に体重がかかりやすく、腰痛や変形性膝関節症になるリスクが高い。下半身の故障が続いたのもうなずけますね。内転筋や臀部を鍛えて故障を予防しているのでしょうが、血流が悪くなりやすく、疲労物質の排出もスムーズにいかないため、下半身のリカバリーには人一倍、時間が必要です。休み休み起用するのが肝要ですね」
今季はオコエ瑠偉との併用が濃厚。このまま調子を維持して、シーズンを完走できるか。