ロシア西部のサンクトペテルブルクのカフェで起きた爆破テロで捜査当局は、爆発物をロシアのウクライナ侵攻支持者の軍事ブロガーに渡した、という女性を拘束。4月4日には反プーチン政権派の組織「国民共和国軍(NRA)」が、犯行声明を出した。
テロ当日、カフェではウクライナ侵攻や民間軍事会社「ワグネル」を支持するイベントが行われており、30人以上が負傷。爆発物は女性が贈り物としてブロガーに渡した像が入った箱に仕掛けられ、ブロガーは死亡した。国際ジャーナリストが語る。
「NRAは昨年8月、モスクワ近郊で『プーチンの脳』と言われる政治活動家のドゥーギン氏の車が爆破され、運転していた娘が死亡した件でもプーチンを名指しして『民族戦争を起こし、ロシア兵を無意味な死へと追いやった軍事犯罪者』と犯行声明を出している。ロシア治安当局は今回の件について『ウクライナ情報機関が計画した』としていますが、NRA側は外国の援助はないと否定しています」
拘束された女性とNRAの関係や、NRAとウクライナ政府の関係は不明だが、プーチン大統領の出身地で起きたテロは、反政府の動きを加速させる可能性が高いという。
「4月4日にはついにフィンランドが北大西洋条約(NATO)に加盟したという、最悪のタイミング。そもそもウクライナ侵攻の国民向けの大義名分のひとつに、これ以上のNATO加盟国増は我々を脅かす、という訴えがありました。それが侵攻の結果、加盟国を増やしたわけですから、プーチンとしては赤っ恥をかかされたも同然。国内の逆風が強まることは間違いありません」(前出・国際ジャーナリスト)
破れかぶれのプーチンは、次に何をしでかすか。このまま黙っている、ということはないだろう。