4月9日に阪神競馬場で行われた3歳牝馬クラシックの第1弾「桜花賞」(芝1600メートル)を「異次元の追い込み」で制したリバティアイランド。誰もが「さすがに届かない!」と感じた位置からの目の覚めるような「直線一気」は、「異次元」という言葉をもってしても形容し切れないほどの、驚異的かつ衝撃的な鬼脚だった。
3番ゲートからスタートした同馬は、先手争いを繰り広げる外の馬群を横目に、まずはインの中団ポジションをキープ。その後「このままでは直線で外に持ち出せない」と判断したのか、鞍上の川田将雅は徐々にポジションを後退させ、3コーナー手前では後方から3番手の位置に。「3~4コーナーで一気にマクリ上げていく作戦か」とも思われたが、川田は後方待機のまま、直線で大外に持ち出した。
ただでさえ「外差しが決まらない」とされていたこの日の馬場状態。ところが最後の直線に入るや、物理的に届かないと思われた位置からグングン加速し、残り200メートルの坂下から先団馬群を一気に差し切ってみせたのだ。上がりタイム(残り600メートルの走破タイム)はメンバー最速の32秒9。この時計は同レースの上がりタイムを1秒6も上回っており、差し脚がいかに凄まじいものであったかがわかる。
リバティアイランドの陣営関係者と親しいホースマンも、次のように舌を巻く。
「まさに10年に一度の怪物牝馬と言っていい。次走は5月21日に東京競馬場で行われるオークス(芝2400メートル)への出走が予定されていますが、このまま順調に駒を進めることができさえすれば、800メートルの距離延長も難なくクリアして、今回の桜花賞に続く牝馬クラシックの2冠目をあっさりと手にすることになるでしょう」
ただ、同馬には別の仰天プランも浮上しているという。このホースマンが続ける。
「ズバリ、オークスの翌週にあたる5月28日に東京競馬場で行われる日本ダービー(芝2400メートル)への出走です。事実、陣営の一部には『オークスを回避してダービーへ』の声があります。リバティアイランドの底知れぬ能力をもってすれば、2007年に牝馬でダービーを制したウオッカ以来となる偉業達成も夢ではないでしょう」
オークスかダービーか。リバティアイランドの動静から目が離せない。