昨年のサッカーW杯カタール大会ではGKとしてフル出場し、ベスト16入りの立役者となった権田修一(34)。すでに日本代表チームは3年後のW杯に向けて始動しているが、かつての守護神はJ2でもがき苦しんでいる。
サッカーライターが激闘を振り返る。
「W杯で忘れられないのはグループリーグのドイツ戦。開始69分、ドイツの猛攻を受けるも、4本のシュートを立て続けに止めた“権田の18秒”は語り草。全4試合でセーブ率は84.2%で全体5位の成績。そんな権田を大会ベスト5のGKに選出する海外メディアもあったほどです」
次回26年のW杯北中米大会で悲願のベスト8進出を果たすべく、新生・森保ジャパンは3月24日、28日と国際親善マッチを行ったが、ピッチのどこにも権田の姿はなかった。
「権田が所属する清水エスパルスは現在J2ですからね。J1は代表のスケジュールを考慮して日程を組みますが、J2は休みとはいきません。6月の代表親善試合にも森保一監督(54)が招集することはないでしょう」(前出・サッカーライター)
清水エスパルスは昨季最終節でコンサドーレ札幌に敗れ、J2降格が決定。「1年でJ1復帰」を目標に掲げていたが、J2でも今季開幕から5分け2敗(4月7日現在、以下同)。昨年から14戦勝ちなしとクラブのワースト記録を更新し続けている。
サッカージャーナリストの六川亨氏が語る。
「0対1で敗れた4月1日の甲府戦を観戦しましたが、権田選手の状態は決して悪くない。むしろ今がピークと言ってもいい。取られた1点にしても、うまくシュートのタイミングを外した相手選手を誉めるべき。問題は戦術面です。かつてのような華麗なパスワークは鳴りを潜め、ただ相手エリアにロングボールを蹴り込んであわよくば‥‥という何十年も前のサッカーをしている。勝てないから消極的になってリスクを負って攻めることができない。だから点が取れずに勝てない。悪循環に陥っています」
清水エスパルスは3日、ゼ・リカルド監督の解任を発表した。ドン底状態の今だからこそ、権田には強いリーダーシップを発揮してもらいたいが‥‥。
サッカー関係者はこんな懸念を口にする。
「何事もズバズバ言うタイプ。サッカー選手にエゴは必要だし、勝っている時はいい刺激を与えてくれるかもしれませんが、歯車が狂うとチーム全体がネガティブなモードに陥ってしまう。不平不満をブチまけることもあったそうで、22年にキャプテンを務めたものの、1シーズンでお役御免となりました」
W杯カタール大会から帰国後は「めざまし8」(フジテレビ系)をはじめ「サンデー・ジャポン」(TBS系)といった情報番組に出ずっぱり。「権田防衛大臣」ともてはやされたが、あるメディア関係者はこんな舞台裏を明かす。
「権田選手にとってメディア対応はテレビが最優先。ある会見では、先にテレビが入って、その後、新聞や雑誌が取材する段取りになっていたのですが、テレビの取材が終わるやスーツからラフな格好に着替えてしまった。おそらくスタッフの連絡ミスだったのでしょう。権田選手は『聞いてないから』『テレビで話したからそれで書いてよ』と不機嫌そうにしていたのをよく覚えています」
清水エスパルスは19位で、降格圏内のジェフユナイテッド千葉(21位)と勝ち点差で並んでいる。日本の躍進を支えた守護神は、J3転落の崖っぷちで踏ん張り時を迎えている。