自民党関係者は、重鎮たちの進次郎氏への評価の変化をこう話す。
「ある重鎮議員は『あいつは人気のある河野太郎だ』と進次郎氏を評しました。河野太郎衆院議員(50)は、メディアに登場しては旧来型の自民党政治を批判していた。進次郎氏はメディアの単独会見には応じないものの、ブラ下がりの取材には応じ、新しい自民党をアピールしてきた。ただ、有権者人気は進次郎氏が格上。両者ともヒヨっ子のたわ言と無視してきた重鎮たちも、さすがに過激さを増した人気者の発言は看過できないという意味で、そう評したのでしょう」
言うまでもなく、先の総選挙での自民大勝の最大の功労者は進次郎氏だ。青年局長として地方行脚し、各地の街頭演説には人だかりができたものだ。
その結果、多くの新人候補が当選。進次郎氏が局長を務める青年局も、大幅に人員が増えた。自民党青年局は45歳以下の議員で構成されている。1月30日に開かれた青年局役員会の会合には、82人の議員が集結した。野党時代は13人だったことを思えば、実に6倍となったのだ。
以後、毎週金曜日にこの会合が定期開催されることとなり、昼食にカレーが出ることから「カレーの会」と呼ばれている。これまでの形式的な会合とは違い、具体的な政策事案を勉強する場として生まれ変わったのだった。
そして、自民党最大派閥の町村派(79人)をしのぐ勢力となったことから、永田町では“進次郎派”の旗揚げとさえ言われた。
ところが、冒頭の国会質問後に開かれた2月15日の「カレーの会」には、わずか30人ほどしか議員が集まらなかったのである。
政治部記者が話す。
「同日に、自民党憲法改正推進本部で総理の講演が開かれたため、そちらに議員が行ってしまったのが激減の理由です。会終了後に進次郎氏も『当たり前じゃないですか。私もそちらを優先すべきだと思う』と述べたのですが、憲法改正推進本部の議題が、当初は『日本国憲法改正草案について』だったのが、前日に『第46回衆議院総選挙にて初当選の議員を対象にした勉強会』に変更になっていたのです。このため、青年局の若手議員らは、『議題変更は、進次郎氏を快く思わないベテラン議員から圧力をかけられたのでは』と話していました」
すでに、重鎮たちから進次郎氏らに対して「若手潰し」とも呼べる動きが始まっているのだ。