国民的美少女ゴクミこと、後藤久美子も49歳になった。F1ドライバーだったジャン・アレジとは事実婚で3人の子供をもうけ、悠々自適にヨーロッパで暮らしている。
小学5年生の時からモデルとして活躍し、その美貌で写真集も売れた。数々のCMに起用され、同年齢の宮沢りえとともに、美少女ブームを盛り上げた。しかし、彼女が中学2年生頃から女性誌や夕刊紙などに「生意気だ」「わがままだ」といったバッシング記事が数多く出ることになる。
「ゴクミが記者に泣かされて、事務所が怒っている」
この頃、業界ではそんな情報が流れ、大騒ぎになっていた。はたして真相はどうだったのか。「泣かせた」というX記者から事情を聞いた。
「ゴクミのバッシング記事はなぜなのか、というテーマで取材をしていたのですが、車で杉並区内の公立中学校から帰宅する様子を狙っていたカメラマンが、帰宅中のゴクミや女子同級生5~6人に見つかって、車を取り囲まれたんです。他のところで取材をしていた私がそれを助けるために車に近づくと『こら、てめえ出てこいよ』とか『この野郎、どこのヤツだ』などと罵詈雑言の嵐。その中心にいたのがゴクミでした。『そんな汚い言葉使いをするものじゃないよ』と、私は彼女に優しく声を掛けたんです。初めて生ゴクミと会ったのですが、目鼻立ちが整っていて、さすがは国民的美少女と呼ばれるだけありますが、あの啖呵は似合わないと思いました。興奮状態が収まったゴクミに『なぜあんなにバッシングされているの?』と聞くと『私には意味が分からないんです。ないことをまるであったかのように書かれて』と…」
彼女は白いブラウスに紺のスカートの制服姿で、X記者に向かって不満を次々と明らかにし始めた。それを遠くから同級生たちが心配そうに見守っていたという。X記者が続ける。
「記事は嘘なのに、それを事務所は抗議もしていない。悔しい。おじさん(X記者のこと)助けて、という内容でした。話しているうちにゴクミの大きな目から涙があふれて、まるで幼児のように泣き出したんです。それを制服の袖で無造作に拭っていました。袖が汚れていたのを見て、子供なんだなと苦笑したのを覚えています。事務所からは『泣かせただろう』と抗議がきましたが、事情を話すと後日、事務所は『申し訳なかった』と謝ってきました。おそらく、ゴクミが本当のことをキチンと説明したのでしょう」
「ゴクミを泣かせた」というのは事実ではなく、「ゴクミが泣いた」という方が正しかった。バッシング記事はそれだけ、強気のゴクミが泣くほど悔しかったということだったのだろう。