昨年オフにプロ野球界で初めて実施された「現役ドラフト」で移籍した面々が元気だ。4月19日にはソフトバンクから阪神に移籍した大竹耕太郎が広島戦で先発し、7回途中1失点で今シーズン2勝目をマークした。
他球団を見渡しても、巨人の切り込み隊長となったオコエ瑠偉は楽天から、中日で2軍落ちしたビシエドに代わり一塁を守ることもある細川成也はDeNAからやってきて、いずれも1軍戦力としてプレーしている。パ・リーグ球団の編成担当者は、
「ごく一部のセ・リーグ球団が4人も現役ドラフトに拠出した以外、他球団は最低限の2人しか出さず『やる気なし』がひしひしと伝わってきた。ところがいざ開幕したらしっかり1軍で活躍しているのだから、大したもの。今年オフには第2回が行われる予定で、なかなか1軍で起用されずくすぶっている若手選手にとっては、希望の制度となりつつある」
受け入れ側の球団にとっても、メリットは大きい。
「戦力外になった選手をテスト入団させても、働かなければ編成担当が必ず責任を負わされる。現役ドラフトも似たり寄ったりだが、事前にリストが届くのでじっくりと思案することができますね。仮に外れても、そこまで責められない」(在京球団関係者)
球界活性化に一石を投じる制度は、このまま成功の道を辿るのか──。