テリー 若者の性についてはどう思いますか。
百田 それは逆にテリーさんに聞きたいですよ。風俗業界に最近の若者はよく行ってるんですか。
テリー 自分で処理派が多いですね。TENGAっていう、モノのことは知ってます?
百田 知らないです。
テリー ダメですよ、知らないと。日本は大人のオモチャに関していうと世界でダントツの金メダル級ですから(笑)。セックスをすると、あとが面倒くさい。だから、自己完結してる若者が結構多い。
百田 ああ、わかる気もしますね。僕らの若い時にはそんなものはないじゃないですか。ビニ本ぐらいしかなくて、それも高いし。だから自分で処理するにも想像力を働かせるしかなかったけど、今は想像力を働かせる必要がないもんね。
テリー 今は「左手にスマホ、右手に○○○」。TENGAも本当によくできていて、非常に売れている。アダルト業界にも、やっぱり天才っているんですよね。
百田 残念ながらNHKの「プロジェクトX」では取り上げられないネタですけど(笑)。
テリー NHKといえば、百田さんはNHKの経営委員ですよね。
百田 ハハハ、風当たりはきついですわ。僕がちょっと何か言うたら「NHKの経営委員がそんなこと言うてもええんか」って、片っ端から言われますのでね。
テリー 何も言わなかったら百田さんを入れる意味がないですもんね。百田さんは「作家というものは、政治的な発言は時としてはしなくてはいけない」というお気持ちがあるかと思いますが、今の安倍政権についてはどう思われますか。
百田 僕は非常に勇気のある政治家やと思いますよ。日本の政治家は、高い地位に上がれば上がるほど発言を控えて、敵を作らないようにする。日本の10年後、20年後の国益よりも、「向こうが謝れ言うから謝っといたら今は何とかなるやろ」でやってると。そのひと言、ひと言の積み重ねが今、大きな問題になっているんです。
テリー 例えば、どんなことですか。
百田 尖閣問題でもね、田中角栄が日中国交回復をした時に、トウ小平が「尖閣は棚上げにしときましょう」って言うたんですね。もともと日本の領土だし、日本が完全に実効支配しているんですけど、日本はアホみたいに「わかりました」と。そしたら50年後に中国は、「あれは棚上げやからね。お前とこの領土じゃないからね」って言いだすんです。従軍慰安婦でも「謝ってくれたら何にも言わんから」「ほならいちおう謝っとくわ」と。それから10年、20年して「あの時、謝ったよね。認めたよね。ちゃんとしてね」って。
テリー 今の安倍さんは違いますか。
百田 違うと思いますね。今、日本は歴史問題で国際的に‥‥いえ、国際的にじゃないんです、ほんまは中国、韓国だけなんですよ、いろいろと批判を伝えてくるのは。これは30年前、40年前、50年前の政治家たちのツケが回ってると思うんです。安倍さんはそうじゃない。日本の10年、20年後、あるいは自分の亡くなった50年後のことをにらんでいると思います。あの人は、わざわざそんな偉そうなことは自分からは言いませんけど。