今春のドラマで重要なのは、キムタクの「風間公親─教場0─」(フジテレビ系)でも、福山雅治の「ラストマン─全盲の捜査官─」(TBS系)でもなく、小芝風花の「波よ聞いてくれ」(テレビ朝日系)だということを力説する。原作は沙村広明によるコミックで、「月刊アフタヌーン」(講談社)に連載中だ。
スープカレー店で働く鼓田ミナレ(小芝)は彼にフラれて、バーでヤケ酒を飲みながら隣に居合わせた男に愚痴をかまし、泥酔する。
翌日、店のラジオから聞こえてきたのは、自分の声。昨夜の愚痴がそのまま流れていたことに、衝撃を受ける。実は昨日の男は麻藤兼嗣(北村一輝)というラジオ局のチーフディレクターで、ミナレの失恋話を録音し、放送で流していたのだ。怒り心頭のミナレはラジオ局に押し掛けて…というのが、第1話の序盤部分だ。概ね原作と同じ流れである。
原作の主人公は蓮っ葉な雰囲気の女で、実写化するなら、例えばお笑いコンビ「納言」の薄幸や、ピン芸人のヒコロヒー、ファーストサマーウイカあたりをイメージしていた。それだけに当初、小芝がミナレ役と知った時には、かなりの違和感を抱いたものだ。
しかも番宣などで「金髪にして、真っ赤な口紅が目立つ、キツめのメイク」を施した小芝の姿を見て、ますますその思いは強くなった。なんかすごく無理してる感じ。金髪も似合わないし…。
バラエティー番組などで顔をくしゃくしゃにして大笑いしたり、かまいたちと共演する「やかんの麦茶」CMでの溌剌とした演技を見せる彼女からは「鼓田ミナレ」というキャラクターを全く想像できなかったのである。
ところが、だ。これがいい。実にいいのだ。それも開始早々からいいのである。
冒頭、バーで泥酔した翌日、ミナレが自室のベッドで目が覚めるシーンがあるのだが、この時の小芝の格好が、下は前日の服装のまま、上はブラ一丁という姿なのだ。ブラ一丁!? なので、寝返りを打つ際、小芝のバストの谷がくっきりと見えた。その上、目を覚まし、気だるそうに起き上がった際には、双丘がボヨンと弾むのがわかるほどだ。
実は小芝が「隠れ巨砲」であることは、その筋では有名な話。2019年に発売された2nd写真集「F」では、水着姿やバストを強調した色香溢れるショットを披露しており、弾力のありそうなゴム毬バストを堪能させてくれた。
そんなわけで、第1話から素晴らしいモノを見せていただき、放送前に抱いていた違和感はすっ飛んでしまった。もちろん小芝の演技も「がさつな女」をしっかり表現していて流石、オスカーのホープだ。この調子で、毎回、サービスカットを期待したい。どうかこの思い、小芝の胸よ聞いてくれ。
(堀江南)